僕、テヒョンって言います。 ページ11
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けど少し落ち着きたくて。
遠慮がちに俺はメニューに書かれた飲み物を選んだ。
TH「…じゃあ、ホットココアください。」
「かしこまりました。」
彼女がカップやら何やら用意し出す。
俺はそれをボーッと眺めていた。
TH「僕、さっき追いかけられていて。慌てていたところにこのお店と人影が見えて。咄嗟に扉に逃げ込んで。…怖い思いさせてごめんなさい。」
彼女がカップから俺に目線を移した。
「もう大丈夫ですから、謝らないでください。」
彼女は再びカップに目線を戻す。
「熱いので気をつけて飲んでくださいね。」
コトリとテーブルに置かれるココア。甘い匂いがする。
TH「いただきます。」
マスクをずらし俺はココアに口をつけた。
本当に熱かったんだけど、その熱さがじわりと俺の身体に染み渡り温めた。
TH「美味しい…。」
「良かったです。」
ニコリと彼女は笑った。
よくよく見ると店内のガラス窓は全てカーテンが閉められていて。
本当に閉店したかのような店内。
俺の事知ってる…のかな。
何か勘づいてる？
TH「……どうしてカーテンまで閉めたんですか？」
ポツリと俺は呟いた。
「え？あー…そんな格好ですし、追いかけられるって…大方有名な方かなぁって。」
そりゃそうか。
こんな格好で匿って！なんて言って、追いかけられてるなんて。
TH「そう…ですね。僕のこと知ってますか？」
「……すみません、私芸能関係に疎くて…あんまり。ずっとこのカフェで忙しくてあまり詳しくないんです。」
申し訳なさそうに彼女は呟いた。
TH「いや、全然。どこかで見かけたら応援してくださいね。」
「あなたを見つけられたら応援しますね。」
あー僕達もまだまだだなぁ。もっと頑張ろう。と心の中で誓う。
TH「…僕、テヒョンって言います。あなたは？」
「…Aです。」
TH「A！素敵な名前ですね。僕のことはテヒョンって呼んでください！」
「テヒョン…さん。分かりました。」
別にお互いに名乗らなくても、
ここでココアを飲んで、ありがとうございましたって別れたらそれで良いのに、
俺は自ら名乗りそして彼女の名前を聞いた。
何だか聞きたかったんだ。
そして俺の名前を呼んで欲しかったんだ。
その綺麗な瞳に俺を映しながら、名前を呼んで欲しかったんだ。
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ali(プロフ) - lemonyellowさん» はじめまして！初めてコメントいただけて嬉しいです！テヒョンをおじいさまとするのはどうなのかなーと思いつつも、彼は歳をとっても変わらず良い男性だろうなと想像して書き始めました。2冊目も開始しましたが最近話がまとまらず…また更新しますね！ (2021年2月21日 18時) (
レス) id: 5532d430b0 (このIDを非表示/違反報告)
lemonyellow(プロフ) - はじめまして。おじいさまなテヒョンさんを想像しつつ、2人の素敵なお話に、夢中になって最後まで読み進めてしまいました。今、目が乾いちゃっています。続きが楽しみです。 (2021年2月21日 17時) (レス) id: 121c3259e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ali | 作成日時：2021年1月15日 7時
