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「…そう？純血じゃないじゃない」
「さすが。グリーングラスのお嬢様は見てるところが違うわね」
家柄でしか勝てないことが、とても嫌だった。家柄ばかり自慢する奴を心の中で見下していたが、彼の前ではそれしか勝てるところがない。そんな自分も嫌だったし、都合のいい時だけ家柄を出す自分も、グルッペンも、本当に大嫌いだった。
魔法省に入所してから、私と彼の距離はぐっと近づいた。いや、近づかざるをえなかったんだ。
彼は私の婚約者として紹介された。
***
段ボールに荷物を詰めれば、明日には自分の新しいデスクへ持っていってもらえる。興味があって「魔法で運ぶんですか？」とアンブリッジに聞いたが、「屋敷しもべがやるのよ」と返ってきた。
「それじゃあ、」
私の言葉を遮るように、扉がノックされた。ノブを捻って来客の対応をすると、そこには驚くべき人物が立っていた。
「やあ、ミス・グリーングラス！マグル製品不正使用取締局にようこそ！」
ひょろっと高い背に、燃えるような赤い髪。頬にそばかすをつけ、およそ魔法省の人間とは思えないような締りのない顔をした男。こちらに手を差し出した彼は、私の何かを待っているようだが、次の行動に起こせないでいる。
「もしかして、握手はお嫌いかな？ああ、そうかそうか。自己紹介がまだだった」
そう言って彼は一旦手を引っ込める。
「マグル製品不正使用取締局で局長をしているアーサー・ウィーズリーだ。よろしく」
再び出してきた手に何を重ねればいいのか分かっているが、そうできないのには理由がある。まず一つ。驚きすぎて身体が止まった。脳からは何の信号も出ないため、私はただ命令を待っているだけだ。そして二つ目。
単純に、こういったフランクに接しようとする男が大嫌いだったから。
すると、後ろの方から「コホン」と特徴的な咳払いが聞こえてきた。
「ああ…御機嫌よう、ミス・アンブリッジ」
「偶然かしらねえ？あなたの前ではいつも機嫌が悪くなるのよ、ミスター・ウィーズリー」
今の声色、会話の内容でこの二人が仲良く帰宅する様子は目に浮かばなかった。
「さて。それじゃあ…段ボールはこれだけ？さっさと運び出そう」
「あ、ちょっと…あれ…？えっと…」
段ボールは屋敷しもべ妖精が持っていくんじゃなかったっけ？そういう意味も込めてアンブリッジの顔を見たが、にこにここちらを見ているだけ。ああ、なるほど。つまり、彼が屋敷しもべ妖精だったってことね。
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Alex(プロフ) - sayakaさん» 凄い嬉しい感想を…ありがとうございます！ストックはありますので、更新して参ります！ハリポタもお好きとのことで、そんな方に響く小説が書けたこと嬉しく思います。 (2020年3月7日 11時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - 読みました。ハリポタもwrwrも好きなのですが、どちらの良さも残ってるどころかより良くて本当に面白いです。続き楽しみにしています。といっても催促したいわけではないので、Alexさん自身も楽しく執筆し続けられること含めて楽しみに待ってます。 (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - Alexさんの物語は好きですが、ハリポタ原作自体も好き故に読むのを少し躊躇っていました。が、読んで良かったです。続きが読みたくて読みたくて仕方ないのに、読み終わるのがもったいなくて、早く読み進めたい気持ちをぐっとこらえて丁寧に読む、そんな物語を久しぶりに (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - こにまるさん» コメントありがとうございます！なかなか魔法省パロは無かったので、作ってみました！お口にあったようで光栄です。まだラストスパートには程遠いですが、どのようにあの苦難を乗り越えるのかとか、本編の裏では実は…的なところを意識して書いていきます！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
こにまる(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…hpも大好きでAlexさんの文章も表現も大好きで、何より話の作りと運び方がとても引き込まれて…どう転んでも楽しめるしどういう流れになるのかとても気になる作品です…！素敵な作品を産み出してくださってありがとうございます…！！！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 059a5adf8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年1月12日 1時
