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あっそ。彼は大してこちらに興味を持たず、預言者新聞を読んでいるだけ。冷めきったオニオンスープとペンネが机の上に置いてある。手を洗って席に着くと、お世辞にも綺麗とは言えない屋敷しもべがやってきた。
「A様、こちらを」
スプーンとフォーク、それからナフキンを持ってきたエドガー。彼に礼などは必要ない。それらを受け取り、一人っきりのディナーを楽しむ。
gr「異動になったとか」
口に運んでいたオニオンスープを寸前で止め、口に放り込む。ナフキンで口の周りを拭ってから、後ろにいるグルッペンへ答えた。
「…耳が早いのね」
ペンネを一口。
「ご不満かしら？」
あなたの嫁になる女が、マグル製品不正使用取締局なんてところに左遷させられたことが。この言葉をあえて口に出さなくても、彼は分かってくれたようで、「いや」と否定する。
gr「あそこで働いてる奴に一人心当たりがあったからな」
「ウィーズリーではなく？」
gr「ちゃうな。グリフィンドール出身やったかな…優秀な奴やったと思うわ」
さっき鬱先生が言っていた人と同一人物かもしれない。
「そう。…それじゃあ、異動するのも悪くないわね」
まだ半分以上残っていたペンネとオニオンスープを残し、エドガーに「片付けておいてちょうだい」と声をかける。
gr「A」
「なに？」
新聞は近くの机に置かれ、赤い瞳がこちらを見ていた。
gr「飲んできたんか？」
「…さあ。どうでしょうね」
鼻から息と共に零れたアルコール臭。彼が勘付くのもよく分かる。
gr「世間体を気にしろとは言わんけどな、感心せんわ」
グルッペンが腰かけていた一人用のソファに近づき、彼の身体とソファの隙間に脚を滑り込ませた。腿の上に腰を下ろし、腕を彼の首の後ろで組めば、距離がぐっと近づいた。
「嫉妬？可愛いところもあるのね」
gr「そっちこそ、俺に嫉妬してほしくて飲みにいったんちゃう？鬱先生と」
鬱先生は省内では割と有名なプレイボーイだ。彼とアルコールを飲めば、それだけで身体を重ねたとみなされるようなもの。
「ふふ、残念だけど違う。本当にたまたま漏れ鍋にいただけ。彼としたことと言えば、ジンをダブルで飲んだことと、嫌味を言われたことくらい」
腰に手を添えられ、彼の方に引き寄せられる。頬にキスを落として再び顔を見たが、熱っぽい目をこちらに向けていた。
「…ごめんなさい。今日はそういう気分じゃないから」
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Alex(プロフ) - sayakaさん» 凄い嬉しい感想を…ありがとうございます！ストックはありますので、更新して参ります！ハリポタもお好きとのことで、そんな方に響く小説が書けたこと嬉しく思います。 (2020年3月7日 11時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - 読みました。ハリポタもwrwrも好きなのですが、どちらの良さも残ってるどころかより良くて本当に面白いです。続き楽しみにしています。といっても催促したいわけではないので、Alexさん自身も楽しく執筆し続けられること含めて楽しみに待ってます。 (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - Alexさんの物語は好きですが、ハリポタ原作自体も好き故に読むのを少し躊躇っていました。が、読んで良かったです。続きが読みたくて読みたくて仕方ないのに、読み終わるのがもったいなくて、早く読み進めたい気持ちをぐっとこらえて丁寧に読む、そんな物語を久しぶりに (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - こにまるさん» コメントありがとうございます！なかなか魔法省パロは無かったので、作ってみました！お口にあったようで光栄です。まだラストスパートには程遠いですが、どのようにあの苦難を乗り越えるのかとか、本編の裏では実は…的なところを意識して書いていきます！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
こにまる(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…hpも大好きでAlexさんの文章も表現も大好きで、何より話の作りと運び方がとても引き込まれて…どう転んでも楽しめるしどういう流れになるのかとても気になる作品です…！素敵な作品を産み出してくださってありがとうございます…！！！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 059a5adf8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年1月12日 1時
