048 ページ50
「トントン！」
tn「お、…おー…」
東側の庭は人の出入り口とは逆方向にあり、人はほとんどいなかった。女を口説いている奴が二人いるくらい。近くに東屋があったが、恐らくそこは誰かカップルが使うだろうということで私たちは花壇を椅子代わりに腰かけた。
「いったー…」
tn「靴ずれ？」
「そんな感じ。ごめん、靴脱いでもいい？」
tn「どうぞ、お嬢様」
靴をふかふかの芝生に落として、右足を靴に置いて足を組んだ。
「例の女の子は？あなたのパートナー」
tn「…俺とおるのがつまらんって」
「振られたの？じゃあ、ウィーズリーから3シックル返してもらわなきゃ」
私はやっぱり賭けに勝ったみたい。
「たった一曲でつまらない男だなんて言われたの？その女も相当やばいね。そもそもどうしてその子を誘ったの？」
tn「…賭けやな。鬱先生と賭けしとって、誘った。俺が誘えたら一生酒おごり続けるって。でもまあ、今日のことでその賭けもチャラやな」
トントンは魔法で出来た夜空を見上げ、静かに笑った。
「…で、秘密のこと。教えてよ」
彼はゆっくりとこちらを見て、一瞬目を外す。それが何を意味するか分からないが、彼は話を続ける。
tn「あの日は、ほんまに飲みすぎたわ」
「え、秘密ってそれ？」
前のめりで聞いていた私が馬鹿みたい。ただ、それがすぐに嘘ではないかと疑念に変わる。
「そういう前置きはいいから。秘密は何なの？教えてよ」
tn「ほんまやって。強いて言うならこれはほんまに誰にも言わんといてほしいねんけど、ウィーズリーさんと賭けしとってん。次のクィディッチどっちが勝つかって。その話をしながら飲みまくって、そんで…あんなんなっただけ」
「ウィーズリーが怪我だらけで、トントンが無傷なのはどうしてなの？」
tn「あの人が階段から落ちたってだけ。ほんまにそれだけやから、これ以上は何を聞いても何も出てこんぞ」
彼の顔をじっと見るが、嘘には聞こえないがそれ以上のことを言うようにも見えない。
「…お酒が足りない？」
tn「足りとるって。さっき振られた腹いせにシャンパン四杯も飲んだから」
「それは足りないと言うべきじゃない？」
ぷっと吹き出すトントン。
tn「せやな。乾杯用のグラス持ってくんの忘れたわ」
彼が立ち上がるので、ゆっくりと靴を履いて立ち上がった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Alex(プロフ) - sayakaさん» 凄い嬉しい感想を…ありがとうございます！ストックはありますので、更新して参ります！ハリポタもお好きとのことで、そんな方に響く小説が書けたこと嬉しく思います。 (2020年3月7日 11時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - 読みました。ハリポタもwrwrも好きなのですが、どちらの良さも残ってるどころかより良くて本当に面白いです。続き楽しみにしています。といっても催促したいわけではないので、Alexさん自身も楽しく執筆し続けられること含めて楽しみに待ってます。 (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - Alexさんの物語は好きですが、ハリポタ原作自体も好き故に読むのを少し躊躇っていました。が、読んで良かったです。続きが読みたくて読みたくて仕方ないのに、読み終わるのがもったいなくて、早く読み進めたい気持ちをぐっとこらえて丁寧に読む、そんな物語を久しぶりに (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - こにまるさん» コメントありがとうございます！なかなか魔法省パロは無かったので、作ってみました！お口にあったようで光栄です。まだラストスパートには程遠いですが、どのようにあの苦難を乗り越えるのかとか、本編の裏では実は…的なところを意識して書いていきます！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
こにまる(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…hpも大好きでAlexさんの文章も表現も大好きで、何より話の作りと運び方がとても引き込まれて…どう転んでも楽しめるしどういう流れになるのかとても気になる作品です…！素敵な作品を産み出してくださってありがとうございます…！！！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 059a5adf8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年1月12日 1時
