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tn「…杖は出さんの？」
彼が出ていってから数分。あの男が口を開いた。
「必要ないでしょ？」
魔法省に入省して、杖を使う機会はほぼなかったと思う。書類仕事、主に書記を務めることが多く、自動速記ペンがほとんどやってくれたので自分が手を動かすこともなかったが、とにかく杖は使わない。アンブリッジの杖だって、ファッジの杖だって、最後に見たのはいつだったっけ？一部、闇祓いや忘却術士の奴らは例外として、ほとんどがそんなもんだと思っていた。だから、杖が必要ないということは自慢でもなければ、卑下しているわけでもないのだ。それなのに、この男は顔を顰める。何かおかしいことでも言ったかしら。
tn「ここでは杖は必要やから」
怒気を孕んだ声に、むっとした。
「へえ、そう。それならもう少し言い方ってものがあると思うけど？」
そっちがその気なら私だってそのつもりだ。
tn「ああ、なるほどな。グリーングラスのお嬢様に杖を出してもらうには、頼み方ってもんがあるんか？恭しくお辞儀でもして、宜しくお願いいたしますお嬢様なんて言うた方が良かったですかねえ？」
「そうしてくださるなら、そうしていただいて結構よ？」
こいつとは馬が合わない。
tn「はいはい。ええから杖出しとけ」
「お辞儀してくださるんじゃなくて？」
tn「子供ちゃうやろ？ええからさっさと出せや」
「嫌よ。あなた、自分でお辞儀でもしようか？なんて言ったくせに」
トントンは「ああ、そうですか」と興味を無くしたように背中を向けた。
tn「…その辺の段ボールから押収品取り出して、調べて、ここに書いて、そんでまたしまって」
「それって、」
tn「ああ？なんや、仕事の指示すんのにもいちいちお辞儀必要なんか？」
「…違うわよ。ただ、自動速記羽ペンは使ってもいいのかって聞きたかっただけじゃない」
自動速記羽ペンはとても画期的な代物ではあるが、それぞれの羽で字の上手、下手が別れる。私の羽ペンは言うなればハズレ。下手なわけではないが、少し癖のある文字になってしまう。
tn「ご自由にどうぞ」
さて、彼の承諾も得たし、癖のある字で書きましょうかね。早速一つ目の段ボールに手をかければ、箱の上に一枚の紙が重ねてあった。
「瓶に魔法あり。中の船が動く…」
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Alex(プロフ) - sayakaさん» 凄い嬉しい感想を…ありがとうございます！ストックはありますので、更新して参ります！ハリポタもお好きとのことで、そんな方に響く小説が書けたこと嬉しく思います。 (2020年3月7日 11時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - 読みました。ハリポタもwrwrも好きなのですが、どちらの良さも残ってるどころかより良くて本当に面白いです。続き楽しみにしています。といっても催促したいわけではないので、Alexさん自身も楽しく執筆し続けられること含めて楽しみに待ってます。 (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - Alexさんの物語は好きですが、ハリポタ原作自体も好き故に読むのを少し躊躇っていました。が、読んで良かったです。続きが読みたくて読みたくて仕方ないのに、読み終わるのがもったいなくて、早く読み進めたい気持ちをぐっとこらえて丁寧に読む、そんな物語を久しぶりに (2020年2月26日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - こにまるさん» コメントありがとうございます！なかなか魔法省パロは無かったので、作ってみました！お口にあったようで光栄です。まだラストスパートには程遠いですが、どのようにあの苦難を乗り越えるのかとか、本編の裏では実は…的なところを意識して書いていきます！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
こにまる(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…hpも大好きでAlexさんの文章も表現も大好きで、何より話の作りと運び方がとても引き込まれて…どう転んでも楽しめるしどういう流れになるのかとても気になる作品です…！素敵な作品を産み出してくださってありがとうございます…！！！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 059a5adf8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年1月12日 1時
