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取引とは、略式的な契約。ジェイド個人との契約で、私は色々なものを得ることができる。今日はモストロ・ラウンジを提供してもらう代わりに、私はジェイドにあるものをあげる。段ボールはカフェ内のテーブルの上へ乱雑に置き、ジェイドの式典服に手をかける。そのまま彼をソファに軽く押し倒し、腹部に跨りキスを迫った。「せっかちですよね、本当に」と彼は笑うが、せっかちなのはジェイドも変わらない。私の式典服だって彼と同じくらい乱れ、ソファの下に落とせばどちらがどちらの服なのか分からな。細く見える体だが、決して子供のものではない。彼は大人の男の体をしている。首筋にかじりつくようなキスを落とし、それから肩にかけて丁寧に舌を這わせる。これは彼に教えてもらった。精一杯可愛らしいリップ音を鳴らし、再び唇へとキスをした。彼の指が頬を撫で、それから人差し指と親指が口内を荒らしていく。
j「この舌で魚を味わうんですよね?…本当に人間というものは、」
欲深い。
彼の一番大事な言葉は、私の口の中に放り投げられた。それを更に奥へ舌を使って押し込めるが、酸欠にも近い症状が出てくる。浅い息を繰り返せば、「陸でしか呼吸ができないなんて、かわいそうに」と思ってもいないことを言う。彼の指が下腹部を圧迫する頃には、一人で体を起こすことができない程だった。彼に支えてもらいながらも、意識はどこか別のところに飛ばしている。彼が欲を吐き出せば、取引は有効となる。
所詮男だ。胸元をちらつかせたり、馬鹿なふりをして色を振りまけば誰だって優しくしてくれる。私は今まで何をしていたんだろう、努力なんて無意味なことをしなくても生きていけるのに。ジェイドといると、嫌でもそれを分からせてくれる。
「本当に思うけど、ジェイドで良かったと思うよ。こういう関係を持つのが」
式典服のローブを上から羽織り、それを今日はパジャマとすることにした。
「もしフロイドだったらやかましいだろうし、アズールだったらそうだなー…契約だの取引だの、いちいち紙を介さないとできないんじゃない?って思う」
j「それは褒めてくださってるのでしょうか?」
「そのつもりで言ってる」
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Alex(プロフ) - ZerAさん» ありがとうございます!泣かないでー!また近日更新しますので、お楽しみに! (2022年9月28日 21時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - 本当に、、苦しいけどとても面白いです、!苦しくて泣きそうになりながらでも面白くて悶えながら見てます!!!!! (2022年9月27日 21時) (レス) @page46 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» とんでもないです!また近日中に更新しますので、お待ちくださいませ! (2022年9月20日 14時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - Alexさん» うわああああ!!!更新ありがとうございます!!お話最高でした………泣泣本当に素敵な作品です……大好きです! (2022年9月19日 22時) (レス) @page42 id: 7a1bc190bc (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» ありがとうございます!近日中に絶対更新します! (2022年9月7日 21時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alex | 作者ホームページ:http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時:2020年4月4日 13時