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j「…おや」
競技場近くを通ると、石段に座る元女王がいた。
「…なに見てんの?あんたも私を笑いに来たわけ?」
話かけるより先に、あちらの方が声をけける。
j「いえ。ご気分を害されたようなので、僕はこれで失礼します」
足早に去ろうとしたが、「ちょっと待って」と呼び止められる。
「…名前は?」
j「ジェイド・リーチです」
そういえば初めて会った時、名乗らなかった。
「この前、アズールに話しかけられた時いたわよね?」
j「覚えていてくださり光栄です。確かにおりました」
「悩みがあったら聞いてくれるの?」
おやおや。これはこれは…なんだか楽しいことになってきた。心臓にノイズが走ったような気がした。
j「…ええ、そうですね。ただし、その悩みを解決するにはアズールとの取引が必要です」
「聞いてもらうだけならタダ?」
j「…それでは、聞くだけお聞きしましょう」
彼女は煤汚れた髪を耳にかけ、「あのさ、」と話し始める。

「寝床を探してほしいの。もう、ハーツラビュル寮にはいられないから」

色々なことが考えを巡った。それならば、アズールに相談しましょう。きっと彼なら相談に乗ってくれますし、それはそれは素敵な天蓋付きのベッドを用意してくれるでしょう。ただ、お代が必要です。あなたのユニーク魔法をもらえますか?しかし、またノイズが走る。

j「…モストロ・ラウンジよりも、良い場所があると思いますが…」
「本当に?どこ?」
j「ですが、教えるには契約が必要です。あなたもそれに見合う対価を払わなくてはいけない」
「対価?」
肯定する代わりに口角を上げて笑った。
「対価って…具体的に何を?」
j「例えば、あなたの…」
ユニーク魔法を奪って得するのはアズールだけだ。

それじゃあ、僕がもらって得するものはなんだ?

「私の何?」
この山より高いプライドをへし折ってやりたい。
「それともアズールに直接話した方がいい?」
プライドが折れた時、どうやって懇願するんだろう。
「あのさ、さっさと、」

j「あなたのプライドが折れるところを間近で見たいです」

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Alex(プロフ) - ZerAさん» ありがとうございます!泣かないでー!また近日更新しますので、お楽しみに! (2022年9月28日 21時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - 本当に、、苦しいけどとても面白いです、!苦しくて泣きそうになりながらでも面白くて悶えながら見てます!!!!! (2022年9月27日 21時) (レス) @page46 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» とんでもないです!また近日中に更新しますので、お待ちくださいませ! (2022年9月20日 14時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - Alexさん» うわああああ!!!更新ありがとうございます!!お話最高でした………泣泣本当に素敵な作品です……大好きです! (2022年9月19日 22時) (レス) @page42 id: 7a1bc190bc (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» ありがとうございます!近日中に絶対更新します! (2022年9月7日 21時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alex | 作者ホームページ:http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/  
作成日時:2020年4月4日 13時

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