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手をすっと挙げ、店員を呼び止めた彼。適当に漬物や揚げ物などを頼んだ後、「あ、灰皿いいっすか？」と付け加える。
「そんな感じ。どこ行っても差別されて、やっぱり嫌になるよ」
ut「政府は区別って言うとるけど」
「次のトップがオメガになれば、差別って言うし、もっと私達だって優遇されるはずだよ」
ut「まあ、それは一生来ないやろうな。トップはアルファの特権」
得意気な顔をして鬱先生は言う。彼もまた、重要な役を任される男。
「アルファはいいよね、優遇されてさ」
ut「俺らも大変よ？責任ある役ばっかやらされてさ」
鬱先生はアルファだ。
「羨ましいよ。…同じ大学出てるのに、この差はあんまりだ…」
ut「…俺が国のトップになったら、もう少しオメガに優しい制度作ったるわ」
「ありがとう。期待しないで待ってるよ」
二本目の煙草に火をつけた彼は、ふんと鼻で笑った。
***
私と鬱先生の出会いは大学だった。
大学二年生、ゼミの新入生歓迎会でたまたま隣で飲んでいた別のゼミの中に鬱先生がいた。先輩達の中にはそのゼミの人達と顔見知りの人もいたらしく、机が離れていただけでほとんど合同飲み会のような形になっていた。オメガという体質から、友人からからかわれる事は多々あった。今回の飲み会も変わらず、初対面だというのに「衝動期ってどうなの？マジでヤりたくなるの？」なんて男の先輩が聞いてくるもんだから、「いや、別に…」と言葉を濁すと、ノリが悪いと思われたらしい。結局私は、自分のゼミの先生と別のゼミの先生が話している輪の中になんとなくいて、適当に相槌を打っていた。そんな時、「先生飲みます？」と煙草と灰皿、それから瓶ビールを持ってやってきたのが鬱先生だった。「鬱君は、成績優秀でね、」とあっち側のゼミの先生が私に力説を始める。先生達の難しい話を聞くよりは、彼の凄さを聞いている方が楽しい。教授二人を挟んで喋っていたけれど、彼が隣に移動してくれたおかげで喋りやすくなった。それからお開きになるまでずっと喋っていて…何を話していたんだっけ？本当にとりとめのない話だ。好きな映画は何かとか、どこの出身なのかとか。
勿論、ABOダイナミクスの話も。
私はオメガだと言えば、彼は一瞬驚いたような表情をしてから「俺、アルファやから気をつけんとあかんな」と笑ったのはよく覚えている。私達は時間も忘れておしゃべりをして、お開きになった後も嘘をついて彼と同じ方面の電車に乗った。
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Alex(プロフ) - カルさん» はぁい…ごめんなさい… (2020年3月8日 21時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
カル(プロフ) - 続き…楽しみにお待ちしております (2020年3月8日 16時) (レス) id: 109968551c (このIDを非表示/違反報告)
おばけ - 世界観とかめっちゃ好きです！更新これからも応援してます！ (2018年12月31日 22時) (レス) id: c7fac66308 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】さん» 現段階で誰に落ち着くのか名言はできかねます。ご要望にお応えできないかと存じますが、最後までご覧いただけますと幸いです。 (2018年12月30日 22時) (レス) id: c11bbf90de (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - ひとらん落ちを願う（ひとらん落ち少ないきがするから） (2018年12月30日 4時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2018年12月29日 23時
