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そう言って渡してきたのは一枚の紙。それを受け取ると、上の部分に今日の日付が記載されているだけの99パーセント余白の紙だった。恐らく印刷をミスして、最後の余白の分まで印刷してしまったんだろう。誰がどう見たって、その紙は必要ないと分かるだろうに。ミスした恥ずかしさと、それを咎められたような恥ずかしさが一気にやってきて、「どうも」と彼の手から荒々しく紙を受け取った。ということは、他の印刷物にもこの余白だらけの紙が紛れているということか。ホチキスの針を外し、一つずつ取り除かなくては。
eml「手伝いましょうか？」
「け、」
「いいんですよ、エーミールさん」
結構です。私のセリフは目の前に座っていた女性社員によって遮られる。
「そうそう、アルファのエーミールさんのやる仕事ではないですし」
今度は斜め前に座っている女性社員。
「オメガの手伝いなんて、アルファの方がすることじゃないです」
最後にこのチームを仕切る上長の男性が一言。そうだそうだ。とにかくここから離れてほしい。そう願いつつ、自分の作業を黙々とこなしていた。
eml「そうでしょうか？」
おお！なんとお優しい！しかし、その問いかけはここではナンセンスだ。
eml「困っている人を助けるのは、男性女性、アルファ、ベータ、オメガ関係なく、人間として普通のことだと思いますけどね」
彼は頭の良い人だ。この状況が今だけでなく、恒常的に行われていることはすぐ分かったのだろう。ただ、頭がいいだけで、人の感情を読み取ることに長けているわけではなさそうだけど。そんな言葉を投げかけて、彼らが素直に「そうですね、これからはオメガにも普通に接します」なんて言うわけないじゃないか。この場を上手くおさめるには、まずここから立ち去っていただくのが一番いい。それなのに、彼は皆が何も言い返せないのを見ると、私の隣に両膝をついて「じゃあ、こっちから一枚抜いていきますね」と勝手に手伝いを始めた。一通り終わると爽やかな笑顔で、「それじゃあ」と去っていった。その後、いつもより酷い言葉を投げかけられたのは言うまでもない。
泣きそうだった。
彼のせいで。
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Alex(プロフ) - カルさん» はぁい…ごめんなさい… (2020年3月8日 21時) (
レス) id: 800cd6aa0a (このIDを非表示/違反報告)
カル(プロフ) - 続き…楽しみにお待ちしております (2020年3月8日 16時) (レス) id: 109968551c (このIDを非表示/違反報告)
おばけ - 世界観とかめっちゃ好きです！更新これからも応援してます！ (2018年12月31日 22時) (レス) id: c7fac66308 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】さん» 現段階で誰に落ち着くのか名言はできかねます。ご要望にお応えできないかと存じますが、最後までご覧いただけますと幸いです。 (2018年12月30日 22時) (レス) id: c11bbf90de (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - ひとらん落ちを願う（ひとらん落ち少ないきがするから） (2018年12月30日 4時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2018年12月29日 23時
