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「…はあ、なんだっけ…カナリー？と、なんとかグリーンでは、」
eml「アパッチ・グリーン」
「そうね、アパッチ・グリーン。どっちがいいですか？」
eml「では、緑の方を」
彼の後ろでトントンがひゅうと口笛を吹いた。少し雑に緑の本を渡すと、彼はペラペラとページを捲る。ものの数秒でその行為は終わり、「やっぱりこの本を選んで正解でした」と満面の笑み。
「どうして緑の本がいいと思ったの？」
eml「こっちの方が私好みだったからです。色も、内容も」
「内容も？どうして内容が分かったの？」
エーミールさんは、本の表紙を人差し指でとんとんと叩いた。
eml「ここにしっかりと、『前資本主義経済体制と産業革命』って書いてあるじゃないですか」
彼に言われた通り本の表紙にあたる部分を見る。しかし、そこには何もない…はずだ。何故なら、そう書いてある本の表紙は黄色の顔料で塗りつぶしたのだから。見えるはずないのに。「どうして見えたんですか…」
eml「正解は私の目です。私の目はあなたの何倍もの感度でできています。レンズはカノン社の特注品」
カノン社とはカメラメーカー。彼の目に搭載されているのは、その会社のレンズらしい。
eml「さすがに透視はできませんが、塗りつぶされたものが何と書いてあったのかくらいは分かりますよ」
「凄いなー…」
eml「ですって、トントンさん」
tn「はいはい。続けて」
パソコンから目を離さないトントン。
eml「それで今日はどんな話を？このお土産を渡しにきただけではないでしょう？」
「そうですね。今日はこっちの黄色の本について話をしようと思って」
黄色の本を彼に渡すと、パラパラとページを捲る。
eml「ライオンとネズミですか？」
「そうです。イソップ物語の」
eml「この話なら、端から端まで音読が出来ますよ。日本語、英語、スペイン語。はたまたイタリア語からロシア語まで。お好みは？」
「エーミールさん、話が聞きたいわけではないの。その話の内容について、今日は話をしませんか？」
彼は少しだけ首を傾げた後、「分かりました」と一言。
「ライオンとネズミ。ライオンに命を助けてもらったネズミが、ライオンに恩返しをする話です」
eml「そうですね」
「じゃあ、エーミールさんに質問です。最終的にネズミは何故ライオンを助けましたか？」
eml「調べたところによると、ライオンに助けられた恩を感じて、という結果が一番多いようです」
調べたところによると、ね。
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Alex(プロフ) - あいさん» アドバイスありがとうございます！あいさん自身でお答えが出ているようですが、仰る通り文字数の制限から改行しておりません！読みづらいとお感じならば、もう読んでくださらなくて結構ですよー！ (2020年1月9日 15時) (
レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 七と十さん» とんでもないです！展開としては少し悲しいような、そんな話になるとは思いますが、ぜひ最後までご覧くださいませ！ (2020年1月9日 15時) (レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
あい - 文字数制限等あるので難しいかと思いますがもう少し改行すると読みやすくなると思います！更新頑張ってください！ (2020年1月9日 13時) (レス) id: bee4947421 (このIDを非表示/違反報告)
七と十(プロフ) - 読み返したいと思っていたので誰でも見れるようにして下さってありがとうございます！珍しい設定で展開が楽しみです！！Alexさんの作品はどれも本当に面白くて読み応えがあります、好きです！応援しています！！ (2020年1月7日 22時) (レス) id: fb792d066d (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - みたら士さん» ほんとですか！？良かった…バグかなんなのか、こちらの画面だと外れておらず…安心しました！ご丁寧にありがとうございます！ (2019年6月11日 0時) (レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年6月9日 23時
