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*side A*
「エーミール」
病室の扉を開けると、恰幅の良いスーツ姿の男性が立っていた。
「…ども…」
彼に一礼をすると、男はエーミールに目くばせをする。
eml「Aさん、彼はトントンさんです。弁護士をしてらっしゃる」
トントンと呼ばれた男性は、私に名刺を渡した。
tn「トントンです。…エーミールさんの身辺整理などをさせていただくことになりました」
身辺整理。いや、大事なことなんだから仕方ない。ただ、そういうのは私がやるものだとばかり思っていたから、少し寂しくも感じた。
eml「まあ、大学の同級生なんやけどな」
tn「まあな。そのよしみで色々お手伝いすることになったんで…色々とあると思いますけど、頼ってください」
こんな人いたかな？ただ、トントンという名前に聞き覚えがある。
「…あ！トントンさんって、あのトントンさんだ…首席卒業の」
卒業式でそんな名前を聞いた気がする。
tn「そう言われると恥ずかしいけど…」
「弁護士さんだったんだ…凄い…」
凄いよね、エーミール。彼の方を見ると、虚ろな目をしていた。その目を見たくなくて、彼のベッドの上にある机に視線を落とした。ぱっと見る限り、保険や何やらの資料。それから、無造作に封の切られた封筒。私がそれを見ているのに気づいたのか、エーミールはそっとそれを隠した。
tn「じゃあ、俺はそろそろ帰るな」
eml「ありがとうございます、トントンさん」
そう言って彼は帰っていく。
eml「頭も良くて、顔も良くて、いい人やろ？」
「いい人やろ？って…今初めて喋ったのに、そんなの分からないよ」
eml「俺が死んだ後のことは、全部トントンさんに任せたから」
「はいはい。そーですかー」
持ってきた着替えをベッドの下に詰めておく。それから机の上を軽く綺麗にして、散らばった書類をまとめて端に寄せた。
「それよりも、だよ？こっちの本と、こっちの本。どっちが面白いと思う？」
エーミールはにやっと笑う。
eml「あー、Aさん。残念ですが、どちらも読んでしまいました。それ、売店で買ったやつやろ？」
「なーんだ」
eml「売店の本は制覇したから」
「もう暇つぶしに本読めないじゃん」
パイプ椅子に腰かけ、エーミールの手を握る。
eml「じゃあ、Aさんの話聞かせて」
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Alex(プロフ) - ドナドナさん» ありがとうございます！アラルカァイがよく分かりませんが、喜んでくださって光栄です。お辛い経験されたんですね。心中お察しします。 (2020年4月19日 21時) (
レス) id: 68d9b196e6 (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ - この作品がすごすぎて、目から滝のようなアラルカァイが...夢主のお話が自分にそっくりで、なんとなく嬉しかったです。ありがとうございました。 (2020年4月19日 1時) (レス) id: e73edfc34e (このIDを非表示/違反報告)
きぃ(プロフ) - ｳｫｫｫｫｫｫｫｵｵｵｵｵﾝ!!!!!!(*ﾉД`*)･ﾟ･。 (2019年9月2日 2時) (レス) id: d9682ceb69 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - おつるさん» 涙ふきふき。そう思ってくださり、ありがとうございます！今度はうれしい涙が流れてしまうような話を考えます！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - ぐろこさん» ご覧いただきありがとうございます！ちょっと悲しすぎましたね…次はほっこりエーミールを書いてみます！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年5月25日 14時
