045 ページ47
*side A*
まずは、ロボロの居所を掴む必要がある。
「ドレスデンからは出てないはずですが、隈なく探すとなると骨が折れそうですね…」
ベッドに入ったまま、上半身だけを起こした大先生を見る。
ut「手分けしてもええけど、俺は魔術師として何も使えんしな…」
「ほんと、なんで聖杯戦争になんか参加したんですか…」
ut「そりゃ、聖杯手に入ったらあれやん…めっちゃ金もろて、一生遊んで暮らすためやろ。そっちは？」
「それは…」
私も人のこと言える立場にはない。
syp「男のサポートっすよね？」
言い淀んでいると、その答えはショッピ君が出してくれた。窓の縁に腰かけ、つまらなそうに前髪をいじっている。
ut「男？」
zm「そ、男。ひょろっとしたイギリス人。ほんま好かんわ、あいつ」
「でも、ゾムさんもイギリス人じゃないですか」
ut「せやな」
結局話は平行線のまま。とりあえず、今晩この教会に集合して探索しようということになった。私とショッピ君は教会に残る二人を置いて、ホテルへと戻る。
syp「あのアーチャー」
「うん」
syp「ゾムって言うんすね。イギリスの妖精」
「…なんで知ってるの？」
横に立つ彼を見上げると、ふんと鼻を鳴らして笑った。
syp「あんたさっき、自分でゾムさんのこと名前で呼んでたじゃないっすか」
「え、うそ！？…マジか…無意識だった…」
syp「無意識？無意識で呼ぶ程仲良くなったんすね」
ライターで煙草に火をつけようとするショッピ君。
「…そんな言い方しないでよ。仕方なかったって言ってるでしょ」
syp「仕方なくやった割には、無意識で名前呼ぶくらいええことしとったんやろ？」
自分の感情を彼に伝えたくて、盛大に溜息をついた。
「アーチャーには言わないでね。こんなの不利だから」
syp「そりゃ言いませんよ。自分のマスターが他のサーヴァントにお熱だなんて、口が裂けても言いませんとも」
「そろそろ令呪使って黙らせた方がいいかしら？」
左手をひらひらと見せる。
syp「別に構いませんよ？ロボロさん倒したら令呪もらえるんやし」
部屋に戻り数分後。扉がノックされる。ベッドに寝転がって本を読んでいたショッピ君に目配せをすると、無言で立ち上がり、なるべく足音を立てないように扉に近づいた。壁に背中をつけ、こちらに視線を寄越した彼を見て、扉を開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
骸(プロフ) - Alexさんの作品いつも読ませて頂いてます。Alexさんの書く世界観がとても好きです。ところで質問ですがrbrさんのモデルとなった人物ってありますか？あったら名前を教えていただけると嬉しいです。 (2019年5月30日 0時) (
レス) id: 8d449d26e0 (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - 前々からAlexさんの作品が大好きだったので、このfateパロ作品が見られてとても嬉しいです。サイトを移行すると見たので、こちらのサイトでまた見られて嬉しいです。更新楽しみにしてます (2019年1月3日 18時) (レス) id: cce4af5beb (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - ろっぴさん» お待たせしました！徐々に更新して参りますので、ぜひご覧くださいませ！ (2018年12月30日 22時) (レス) id: c11bbf90de (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いちごねこ(コハル)さん» コハルさん、ありがとうございます！これからはこちらで更新しますので、どうぞ宜しくお願いいたします。 (2018年12月30日 22時) (レス) id: c11bbf90de (このIDを非表示/違反報告)
ろっぴ(プロフ) - このような作品まってました!!!!更新頑張ってください!!!! (2018年12月30日 21時) (レス) id: 213a7ff013 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2018年12月29日 22時
