【wrwrd!】嫉妬に狂う、狂われる【短編】 (ページ1)

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「んっ、…」
俺は今、恋人の部屋にあるクローゼットの中にいる。
「や、だ…待って、」
目の前で行われている行為は紛れもない男女の営み。
「あ、やっ、…エーミール来ちゃうから…」
俺はここにおるよ、A。
「…こういうの、すっごい燃えるよね…！」
じとっとした目をこちらに向け、彼女は言った。男と女が離れたのは、次の日の朝だった。

「おはよう、エーミール」
俺の可愛い恋人はAと言う。我が軍の紅一点、頭脳明晰、身体能力も抜群。スタイルはいい、顔は美人。
eml「Aさん、おはようございます」
眠たくて、いつ瞼が落ちるか分からない。一生懸命瞼を上げて彼女に挨拶すると、「眠そうだね」と笑った。
「あ、オスマンもおはよう」
os「おはようさん。今日も相変わらずべっぴんさんやな」
緑の瞳をちらちらと見せながらやってきたのはオスマン。
「ちょっと、オスマン…」
os「んー？なにー？」
Aは、腰に触れたオスマンの手をよかした。
「ここではダメだよ。ね？」
os「どこでならええんかな？」
その手は彼女の頬に添えられ、あと数センチでキスしてしまうくらい接近していた。
「…今日来る？」
オスマンの耳元で囁くA。
os「そこならええの？」
「うーん…それは、オスマンが部屋に来てから考えよっか？」
os「…分かった。楽しみにしとるな？」
オスマンは彼女の髪にキスを落とし、俺に一瞥くれて廊下の向こうに消えてしまった。
「ねえ、エーミール？」
Aは色っぽい目をこちらに向ける。
「聞いたでしょ？今日、先に部屋で待っててね」
eml「…はい…」
今夜もまた、彼女の狂気が始まるのだ。

*side A*

「ねえ、早く！」
エーミールを部屋に連れ込み、オスマンが来るのを待った。
eml「ちょっと、Aさん！」
「なーに？嫌い？」
eml「好きではないです」
「いいじゃん。私は好きだよ？」
彼、エーミールは紛れもなく私の恋人だ。でも、ここの施設にいる人は誰もこの事実を知らない。皆は私をきっとフリーの女だと思っているだろうし、言えばやらせてくれる便利な奴だとも思ってるんだろう。しかし、それは半分正解、半分外れ。私はエーミールの恋人なのでフリーではないけれど、言えばやらせてくれるは本当。恋人がいるのになんでそんなことするんだって？しょうがないじゃない。エーミールが大好きなんだから！