生存レジスタンス-8 ページ8
「よう。遅いお帰りじゃねェか」
「!?」
「ふわぁ……」
背後から声がして反射的に振り返れば、大きくあくびをしたレオナ様が立っていた。
「レオナ寮長……あの、この人たち……」
「ああ。人のモンに手を出したらどうなるか、きっちり教え込んでおいてやった。人生のセンパイからのアドバイスだ、ありがたく受け取ってもらわねェとなあ」
「……」
人のモンって……ああ、私ってレオナ様の狩猟対象なんでしたっけ。
以前付けられた噛み跡があった場所を無意識に触りながら、そういえばそうだったと思い返していた。
「あはは。まさかレグルス君を人質にして勝とうなんて、馬鹿な作戦を立てたもんッスね〜。レオナさんの逆鱗に触れた代償、味わってもらえたッスか?」
ラギーがゴミを見るような目で、倒れ伏す先輩たちを冷たく睨んでいた。
え、レオナ様、そんなに怒っていたの?
……まあ、お腹が空く時間だったからね。
機嫌も悪くなりますか。
「コイツらのことは誰かに頼んで運んどいてもらいましょう。問題は談話室ッスね。……ま、なんとかなるでしょ!」
なんて楽観的な。
私がポカンとしている間に、ラギーは後輩たちに砂まみれの先輩と談話室の片付けについて、アレコレと指示を出していた。
「なんでもいいから飯」
「はいはい。レグルス君が今日は焼肉にするって言ってたッスよ」
「ほう、気が利くじゃねぇか。そこの倒れている奴らから肉の匂いがして、俺も食いたくなっていたところだ」
鋭い牙を出して不敵に笑うレオナ様は、床に伏してもなお恨みがましい目で睨みつける先輩たちに向かってこう言った。
「ここでの最後の晩餐は楽しめたか?」
*
その日中に彼らの部屋からは一切の荷物がなくなっていて、後日、自主退学の書類が受理されたと噂で聞いた。
ああ……レオナ様にちょっかいをかけたばかりに。
バーベキューを楽しんでいたメンバーの笑顔を思い浮かべながら、彼らの今後の益々の発展を陰ながら祈った。
.
301人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません!続編待ってます!(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ!!()やっとね!!やっとね!!おほほほほ!!!(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます!) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです!!続き待ってます!!!!引き続き執筆頑張ってください! (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時:2023年10月21日 20時