実体リリース2 ページ19
「そう？ それよりもレオナ寮長を探さないと──あ、いた」
六人掛けのテーブルを一人で占領する我らが寮長を発見し、私たちは人をかき分けるようにして目的の場所に向かった。
「お待たせしました」
「遅いぞ」
「すみません。少し授業が長引いて──って言い訳は後にして並んできますね」
「うぎいいいぃ！」
「……え？」
今、背後から奇声が？
振り向くと、顔を真っ赤にしたリドル君がマジカルペンを杖に変えて生徒に向けていた。
杖を向けられていたのはサバナクロー寮生だった。
ハーツラビュルとサバナクローは相性が悪いからなぁ。
ウィンタベリーでもそうだった。
寮長同士がよくぶつかっていた。
しかしこちらの場合は「ハーツラビュルの癖にルールーも守れないの！？」「サバナクローの癖にそんなに細かいところまで気にするのね」と言うものだった。
怠惰なハーツラビュル寮長と生真面目なサバナクロー寮長。
入る寮間違えたんじゃないの？とみんなが思ったに違いない。
私は彼らを見ながら、その時の光景を思い出していた。
「いいんスか、レオナさん。うちの寮生がリドル君怒らせてますけど」
「放っておけ」
レオナ様はそう言うが、私はリドル君の様子が気になってしかたがなかった。
理性的なリドル君があんなに怒るなんて。
いったい彼らは何をしでかしたんだ。
「僕、ちょっと止めてきます」
「え、レグルス君！？」
騒ぎの中心に近づきリドル君が座っていた席を見ると、大量のミルクと角砂糖が入った紅茶があった。
ああ、原因はこれか……と納得した。
ハートの女王の法律第339条。
食後の紅茶は必ず角砂糖を二つ入れたレモンティーでなければならない。
ちょっとからかうつもりで紅茶に角砂糖とミルクを入れたのだろう。
これはれっきとした法律違反だ。
「お前たち、覚悟はできておいでだね！？」
「ひぃいい！」
「なんで俺たちまで！」
「このままじゃ巻き込まれる！ 逃げるぞ！」
頭に血が上ったリドル君は見境なしにユニーク魔法を放ち始めた。
どんな効果があるのか知らないが、ハートの首輪をつけた生徒が増えていく様を見て、逃げるように食堂を去る生徒たち。
「リドル君、落ち着いて！ 紅茶なら僕が入れなおすから──」
「うるさいよ！ ボクの邪魔をするな！ 《首をはねろ》──オフ・ウィズ・ユアヘッド！！」
ガシャン！
宥めようと近付いた私の首に、ハートの首輪がかけられた。
瞬間、ぽんっと空気が抜ける音がして体が軽くなる。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません！続編待ってます！(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (
レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ！！()やっとね！！やっとね！！おほほほほ！！！(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます！) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです！！続き待ってます！！！！引き続き執筆頑張ってください！ (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2023年10月21日 20時
