内密リアルネーム-2 ページ16
「そういえば、僕はお前の名前を知らないな」
「レグルスです」
「そうじゃない。お前の本当の名前の方だ」
「あ……えーっと……」
マレウス様は私の本当の名前を知りたいようだった。
耳をそばだてて警戒しながらぐるりと周囲を見渡す。
鏡舎の中には私たち以外に誰もいない。
けれど念のため……と、私が口元を手で隠して内緒話をするようなしぐさをすると、察したマレウス様は膝をかがめて目線を合わせてくれた。
「A、です。A・スターフィールド」
「A」
「はい」
私の名前。
ここでは誰にも呼んでもらえないと思っていた、「レグルス」ではなく「私」としての名前。
「いい名だな」
「ありがとうございます。他の方には内緒ですよ。二人だけの秘密です」
「二人だけの……それは実に愉快だ。──おや？ そこにいるのはキングスカラーではないか」
「え……？」
マレウス様が満足げに微笑み、サバナクロー寮行きの鏡に視線を移したと思えば、その先に不機嫌な表情をしたレオナ様と困り顔のラギーが立っていた。
「二人ともどうしたんですか？」
「レグルス君の帰りが遅いから迎えに来たんスよー」
「わざわざ？ 大丈夫なのに」
「何言ってんスか。あんな目に遭っておいて」
最近、部活が終わった時点でレオナ様の部屋にいないと、こんなふうに二人で迎えに来てくれるのだけど……。
遅くなるようなら連絡を入れろとまで言われている。
子どもじゃないんだから……。
「もうあんなことにはならないから大丈夫だよ」
「でもレグルス君が部屋に戻ってこないとレオナさんがずっとイライラしてて──って、レオナさん！？ なんでマレウスさんにガン飛ばしてるんスか！？」
レオナ様が私とラギーが話している横を通り過ぎて行ったと思ったら、マレウス様の正面に立ち鋭い射抜かんばかりの視線で睨みつけていた。
あまり仲が良くないと噂で知っていたけど、会っただけで一発触発な雰囲気になるとは聞いていない。
でもマレウス様の方は意に介しているようには見えず、むしろレオナ様の威嚇を楽しむように正面から受け止めていた。
──って、私、マレウス様にフライヤーを持たせたままだった！
「すみません、マレウス先輩。持たせっぱなしで！」
マレウス様の手の中にあったものを慌てて受け取る。
こんなことをさせたと知られたらお付きの人に怒られてしまう。
特に声の大きい方に。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません！続編待ってます！(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (
レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ！！()やっとね！！やっとね！！おほほほほ！！！(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます！) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです！！続き待ってます！！！！引き続き執筆頑張ってください！ (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2023年10月21日 20時
