■BLでごめんくちゃい■□イッツマイソウル□

eight■31 ページ31

「あかん」

「手ぇ震えてるわ」


ドンドン！ってむっちゃ速く打ってる心臓と。

オレの事抱き締めてる手ぇが震えてんのと。

その声も、震えてんのが解って。

何で今更アンタが緊張してはんのって、むっちゃ思ってんけど。


「ドンドンいうてる」

「救心持ってきたって！！」

「・・・買うてこよか？」

「そんな素で返されると俺めっちゃアホな子やん？」

「・・・めちゃめちゃアホやんか」

「でもな？そんなアホにお前」


「むっちゃ惚れてるやろ？(笑)」


開いた口が塞がらんっていうんはこういう事をいうんやって思った。

ご都合主義ってこんなんをいうんやって。

でも。

ほんまの事やから、何も言い返されへんなって。

ドンドンを聴きながら、思っとった。


抱かれたアタマをいつの間にかふわふわ撫でられとって。

渋谷さんの指の間を滑る髪が、サラって流れる。

ふわふわ撫でながら渋谷さんは、ちゅぱっとアタマにキスをする。

キスをしながら頬ずりする。

それがむっちゃ。

キモチよかった。


「このまんま一回抱いてもええ？」

「・・・何でそんなん今更聞くん」

「いや、風呂入らんとイヤや！とか言いそうやしな」

「・・・入りたい」

「入らんでええ」

「何で聞くんよ」

「入られへんで、て確認」

「いや、入りたい」


両肩押されて、じーっと顔見られて。

ふん、て何か考えるみたいにしてんねんけど。

急に立ち上がってオレの腕掴んで、リビングの奥のドア開けて。

ドン！！突き飛ばされたら、そこはベッドの上で。

上から跨るみたいに乗っかって、ニンマリ笑ってこの人は言うた。


「そのまんまの大倉がええ」


そのまま塞がれたクチビルが甘過ぎて。

何言おうとしとったか、瞬間で忘れてもてた。


初めて上から抱き締められてキスをした。

初めて下から抱き締めてキスをした。

初めてアタマが真っ白になるキスをした。

初めて痺れるみたいなキスをした。


「ん・・・んんっ」


首筋に流れるキスが、胸元にまで流れてくる。

いつの間にか開かれたカラダに渋谷さんの薄いクチビルがするする流れる。

鎖骨に、胸に脇腹に。

流れる度に、口から漏れる。

抑えきれへん声が勝手に漏れる。

思わずその口を両手で押さえようとしたら。


「・・・あかんで？」


目の前に妙にキレイに笑いながらオレを見てる渋谷さんの顔があった。

顔の横で手首掴まれて。

いつの間にか口を押さえられんように掴まれてた。


「声、抑えたらあかんで？」

eight■32→←eight■30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す