咄嗟の質問 ページ9
｢ごめんね、アルバス。半額にしたかった訳じゃないんだけど、なんだか試されてるような気がしてつい…｣
分かりやすく頬を赤くしたAは苦笑いした。
ア｢いや、うん、いいよ｣
まだ若干混乱する頭でアルバスは落ち着こうと紅茶を飲む。
悔しいが紅茶は美味しい。
アルバスは無意識のうちにAの上品な唇に目がいく。
今まで彼氏は出来たことがないってスコーピウスから聞いてたけど、キスもしたことないのかな、とアルバスはなぜか思った。
Aみたいなレベルになると彼氏がいなくたってダンスパーティーなんかでパートナーの男の人とキスしたこともあるんじゃないかと勝手な妄想がアルバスの頭をよぎる。
｢アル？どうかしたの？｣
ア｢あ、いや。なんでもないよ｣
せっかくデートに来てるんだからアルバスはAのことをもっと知ろうと思い、問いかけた。
ア｢Aはさ、ダンスパーティーとか行ったことある？｣
問いかけたといっても咄嗟に頭に浮かんでいたダンスパーティーのことをアルバスは聞いた。
Aはキョトンとして暫くした後、口を開く。
｢何回かは行ったことあるよ。母の知り合いが開いたダンスパーティーとか、父にマグルのダンスパーティーに連れて行って貰った時もあった｣
Aは思い返すようにそう語る。
ちなみにアルバスはと言うと行ったことはまあ無いわけで。
ジニーやハリーに行きたくないか、と聞かれることはあったがいつもジェームズとリリーが参加するだけでアルバスは行こうと思わなかった。
元々あんまり人前に出るのは得意じゃないし。
ア｢そっか。やっぱりパーティーってすごい？｣
｢すごいよ、もうそこら中きらきら。みんな歌ったり踊ったり、食べたり笑ったりでお祭りみたいなの｣
また行きたいなあ、とAはケーキを頬張りながら楽しそうに笑った。
そんなAの笑顔を見ていると、アルバスはAとなら行ってもいいかな、なんて考えた。
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作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
