マダム・パディフットの店 ページ8
男｢うわ、すげー美女。声かけたい｣
男｢バカ、彼氏いんだろ｣
男｢弟じゃねーの？｣
そんな声が聞こえてきてアルバスはついその男たちを睨んでしまう。
｢アルバス、顔怖いよ｣
Aはアルバスの顔を覗き込む。
ア｢ごめん、なんでもない。着いたよ、まずはここに入ろう｣
アルバスとAが見上げた店はマダム・パディフットの店だ。
Aは目を見開いて、次の瞬間思わず吹き出す。
｢アルバス、ここのお店よく知ってる？｣
ア｢え？どうして？スコーピウスにオススメのスイーツがあるって言われて｣
｢まあいいや、入れば分かるよ｣
Aが扉を開き、アルバスは自分の目を疑った。
そこはピンクで彩られ、リボンやフリルがたくさん飾ってある。
店内はカップルで溢れかえっており、平気でキスしたり手を繋いでイチャついている。
見ている方が恥ずかしい。
アルバスは真っ赤になって下を向く。
もっと内装についてスコーピウスに聞いておくべきだった。
多分スコーピウスに悪気はなかったのだろう。
｢ごめん、A。僕知らなくて｣
｢いいよ、楽しそう。入っちゃったしお茶しようよ｣
席に案内された二人は早速おすすめのスイーツと紅茶を頼んだ。
待っている間もアルバスは落ち着かない様子で店内を見回した。
やっぱりどこのカップルも他人なんて気にしていないようにイチャイチャしていてこっちが胸焼けしそうだ。
Aは平気なのかな、とアルバスが見るとAもどこか落ち着かない様子だ。
｢な、なんだか聞いてたよりすごくて｣
Aは困ったように頬を赤らめて笑う。
｢僕もびっくりしてる｣
そんな会話を軽くしているて注文が来る。
店員｢今ここでキスして頂くと半額になります｣
店員はニッコリ笑って二人を見る。
｢キス！？｣
アルバスは動揺のあまり椅子から落ちそうになる。
店員｢どうしますか？｣
店員は試すようにチラッとAを見る。
Aは少し考えた後、アルバスを見つめる。
｢アルバス、好きよ｣
ア｢えっ、えっ、｣
Aの顔が近づいてアルバスはギュッと目を閉じる。
しかし柔らかな感触がしたのは唇ではなく頬だった。
｢唇にって、あなた言わなかったわ｣
Aが店員にそう言うと店員は複雑な表情をして去っていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
