夜の方 ページ45
次の日もAは講習があり、今日は妖精呪文と天文学の講習のようだ。
Aはルーシーと一緒に座ってフリットウィックの話を聞いていた。
フ「呪文を成功させるには基本が大切であり_______」
周りには大欠伸をする生徒、お腹空いたなー、と呟く生徒もいる。
Aはフリットウィックの話を聞きながら時々ルーシーと雑談した。
ル「二人は付き合って結構経つわけだけど、」
「うん」
正直なところ、偽装カップルの頃から数えればもうすぐ4ヶ月たつ訳だが、本当に付き合ったのは4日前なわけでまだ一週間にも満たない。
ル「どこまでした？」
「え」
Aはルーシーからの予想外の質問に驚いて思わず声を上げてしまう。
幸い周りには聞こえていないようだった。
「ちょっとルーシー、授業中にそんなこと聞かないでよ。びっくりした」
ル「いいじゃない。教えてよ」
ルーシーは相も変わらずおっとりしているが話の内容は穏やかではない気がする。
「することは…したと思うけど」
ル「アルバスってどんな感じなの？」
「何が？」
ルーシーは辺りを見渡し声を潜める。
ル「夜の方」
「え、ええ…？」
ル「優しい？」
ルーシーは口元に教科書を立ててヒソヒソとAに質問を続ける。
その口元は心做しかニヤニヤしているようにも見える。
「その、あんまり覚えてないって言うか…でも痛いとかあんまり感じなかったかな。何度も大丈夫？って聞いてくれたし」
ル「あのアルバスがねえ。あなたって本当に偉大ね」
「どういう意味だか」
ル「それにしてもA、あなた休み明けの時間割確認した？七年生だけ先に貰ったでしょ？」
「話の急カーブがすごいね。引かれるかと思った。まだ未確認だけど」
ルーシーはゴソゴソとポケットからプリントを取り出してAに見せる。
ル「ほら、見て。ここの7年生レイブンクローのとこ。6年生スリザリンと闇の魔術に対する防衛術の合同になってる」
「うそ、」
Aも自分のプリントを取り出し確認すると確かに6年生スリザリンと一緒になっていた。
「守護霊の復習と強化だわ。パトローナスを扱う授業_______でもどうしてスリザリンと？｣
ル「レイブンクローとの相性が他の寮に比べるとまだいいほうなんじゃない？アルバスやスコーピウスはいい子だけどね」
ルーシーは欠伸をして話が一段落するとフリットウィックの話に集中し始める。
Aは時間割表を見つめて密かに頬を緩める。
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作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
