クリスマスツリー ページ34
「寒いっ！」
日が落ちると冷え込みが激しくなりAは両腕を摩って身震いする。
ア「冷え込んできたね」
アルバスはAと繋いだその手をそのままポケットに突っ込んで暖めるようにAの手を握る。
Aはそんなアルバスにドキドキしながら手を握り返す。
ツリーに着くとそこには既に何人も人がいてみんなツリーの点灯を今か今かと待っている。
カップルは引っ付いて寒さを和らげたり、友達同士はお喋りをしながら寒さを紛らわせているようだ。
「なんかまだライトアップしてないのにロマンチックだよね」
吐息が白くなって消えていき寒さでAの頬は赤く染っている。
アルバスは自分の巻いていたマフラーをAに巻き付ける。
「え、アルバスいいの？寒くない？」
ア「大丈夫。それにAは風邪なんて引いたら大変だよ、大事な時期なんだから」
「ありがとう、洗って返すね」
こういう小さいところまで気づいてくれるアルバスは自分が思っているよりも器用なのではないだろうかとAはつくづく思う。
「あっ、始まったよ！」
ア「ほんとだ」
周りの人も含め、アルバスとAがツリーに集中すると、ツリーは魔法で下から美しく光を解き放ち始める。
「綺麗…！」
ア「僕初めて見た…！」
ツリーが最後まで光終えるときらきらと光が舞落ちてくる。
アルバスがその光に手を伸ばして取ると光は雪のようにアルバスの体温にじんわりと溶けていく。
ア「A_______」
アルバスがAを振り返るとそこには大粒の涙をボロボロと流す姿。
ア「A！？どうしたんだ、どこか痛いのかっ？」
「ごめんっ…アルバス、私、」
Aは両手で顔を覆い、アルバスはAを抱きしめる。
アルバスはどうしたらいいか分からなくなり辺りを見回すと周りの人が好奇の目でアルバスたちを見ていた。
ア「A、場所を変えて話そう」
アルバスはAが頷いたのを確認してAを連れて人気のない場所まで出る。
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作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
