切なく ページ23
えーっと、なになに？
【彼はあなたのことをどう思ってる？聞いてみよう！】
｢すごいな、なんの根拠もないのに分かるのかな｣
【彼に私は動物に例えると何？と聞いてみてね☆】
｢これってどういう結果に…？｣
Aがページをめくろうとした時だった。
ア｢A？｣
よく聞きなれた大好きな声がAを呼んだ。
｢あっ、アルバス！？｣
振り返るとそこには紛れもなくアルバスが立っていた。
Aは急いで本を本棚に押し込んだ。
ア｢何読んでたの？｣
｢なんでもないよ、その、ほんとに｣
ちょっとあなたのことが気になって恋愛の心理テストをしてました、なんて口が裂けても言えない。
ア｢A大丈夫か？顔が赤い｣
｢平気だよ｣
ア｢そっか、よかった｣
自分の事のように心配してくれるアルバスに胸が波打つ。
もうどうしようもないぐらいアルバスが好き。
｢アルバスは何しに来たの？｣
ア｢僕は調べたいことがいくつかあって_______もう終わったんだけど｣
｢そっか。ちょっと待っててくれない？冬期講習で使う本借りてくるから｣
ア｢オーケー｣
Aは本棚に目を通して目的の本を抜き出して手続きを済ませて借りる。
心理テストのことばれなくてよかった。
｢お待たせ｣
ア｢ううん、行こう｣
図書室を出た二人はいつものように話をしたが、何となく気恥しいAはアルバスの顔を上手く見れなかった。
｢もうあと1週間ぐらいでクリスマスだね｣
ア｢うん。A行きたいところある？｣
｢クリスマスツリー見たい。ホグズミードのクリスマスツリーってすごく綺麗なんだよ｣
Aは去年のことを思い出すようにゆっくりと話した。
去年はクロエとホグズミードに行ってケーキを食べた。
今年もクロエと過ごすと思ってたけど、まさかアルバス・セブルス・ポッターと過ごすなんてなあ。
アルバスを見上げるとアルバスは優しい瞳でAを見つめていた。
アルバスって目がすごく綺麗だな。
でも時々、その瞳を見るとひどく切なくなる。
今も_____________。
｢…ごめん、ちょっと忘れ物したから先に行ってて｣
ア｢A_______｣
アルバスはAが寂しそうな顔をしているのを見逃さなかった。
引き留めようとしてもAはアルバスの手をひらりとかわして行ってしまう。
ごめんね、アルバス。
Aはその場にアルバスを置いて歩き出す。
心がひどく搔き乱れる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
