休暇について ページ17
それから数日経ち、11月も中旬に入った。
アルバスとAの偽装カップルはまだ続いており、もはや疑う者などいない。
ス「今年はクリスマス休暇なにしようかな〜」
スコーピウスはわくわくと目を輝かせてクリスマス休暇を待っているようだ。
アルバスはと言うとクリスマス休暇に家に帰るか迷っていた。
冬期講習で学校に残るとAは言っていたわけでクリスマス休暇もAに会いたいアルバスはそれで迷っている。
ス「アルバスはクリスマス休暇帰るのか？」
丁度考えていたことをスコーピウスは言い当てた。
ア「迷ってる。Aは冬期講習で残るって言ってたから」
ス「じゃあアルバスが帰ったら彼女は君に会えなくなるわけだ」
ア「勉強で忙しいみたいだから残っても会えるか分からないけど、休暇中ちょっとは会いたいからさ」
初めの頃より随分素直になったな、とスコーピウスはアルバスを見て思う。
ス「Aに聞けばいいじゃないか。残って欲しいか」
ア「なんか、そんな聞き方はできないよ」
ス「君は素直になった方だけど恥ずかしがり屋なんだな」
わかるぞ、とスコーピウスは頷くが、君の恥ずかしがってるとこなんて見たことないけどな、とアルバスは思った。
ア「そろそろ夕食だし行こう」
一通り話したところで二人は大広間に足を進める。
大広間には既に複数人の生徒がおり、その中にAもいる。
Aは食事の時も難しそうな顔をして教科書を睨みつけている。
ス「彼女、すごい勉強してるな」
ア「うん、邪魔できないよ」
席に着いたアルバスは眠たそうに勉強するAを見つめることしか出来ない。
するとAと目が合ってAはアルバスに微笑みかける。
アルバスが口パクで「大丈夫？」と聞くとAは頭を縦に振る。
そしてまだ続きがあった。
夕食が終わったら会える？とアルバスにはAがそう口パクしたように見えた。
アルバスが勢いよく頷くとAは嬉しそうにしてまた勉強を再開する。
ア「スコーピウス、食事が終わったら先に戻ってて」
ス「Aが何か言ったか？」
ア「うん、会えないかって」
アルバスは自分で言っていて頬が熱くなるのを感じる。
ス「アルバス、やっぱりAには君が必要だよ。休暇中残るべきだ」
スコーピウスは食べる手を止めてアルバスを見る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
