噛み合わない会話 ページ16
「えっ…やったって…その、たまたまで…(キス)」
ク「たっ、たまたま！？外なのに！？(自主規制)」
「店の中でなんて出来ないよ、狙ったわけじゃ無いし。それに私たちの他にもしてる人いたから(キス)」
Aはだんだん自分の気持ちが分からなくなってくる。
自分の心の中で迷子になっている。
そしてクロエとの会話も激しく噛み合わなくなってくる。
「初めてだから確信はなくて…やったかも分からないっていうか(キス)」
ク「初めてがあいつで良かったの！？ていうか覚えてられないほど激しかったわけ！？(自主規制)」
クロエはAの肩を掴んでガクガクと揺らす。
なんだかんだ言って興味があるのかクロエは食いかかるようにAに聞く。
「激しい…？いや、て言うより本当に当たっただけだから(キス)」
ク「や、やっぱり痛いの？(自主規制)」
「え？痛くないよ。そりゃあ長年付き合ってるカップルとか気持ちが昂ったら激しくするのかもしれないけど(キス)」
クロエは想像しようとする思考回路を止めて「ダメダメ！」とAに訴えかけた。
ク「激しくするなんてダメ！絶対ダメ！私たちまだ17歳よ？(自主規制)」
顔を真っ赤にして物凄い勢いでそう言うクロエにAは少し心配になった。
「クロエ大丈夫？」
ク「私はあんたが心配だわ…初めてをあいつと…(自主規制)」
「そんなに心配すること？キスしたかもしれないって…やっぱりはっきりさせないと相手に失礼かな…」
ク「え？」
「え？」
クロエはますます顔を赤くして「あー！キスね！はいはい知ってたあ！｣とまるで自分に言い聞かせるように大きな声でそう言った。
Aは訳が分からず首を捻る。
「何だと思ってたの？」
ク「いや何もない。それにしてもキスしたんだ」
「確信はないの。ぶつかった時しちゃったかもだから」
Aは小さな声で呟いて頬を赤らめる。
クロエはとりあえずキスだけだと言うことに安堵の息を漏らす。
ク「してない！してないってことにしときな！まだ取っといた方がいいわ！他の誰かにね！」
顔洗ってくる！とクロエは勢いよく部屋から出ていった。
「クロエどうしたのかな…調子悪いのかな？」
Aはクロエのいなくなった部屋で呟いた。
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作者名：ななや | 作成日時：2023年1月5日 17時
