ゲームセット０５(弟者・兄者・おつ) ページ25
「Aちゃん！」
私に気が付き、弟者の彼女の傍から少し慌てた様子のおついちが安堵の表情を浮かべながら此方へとやって来た。
「おついちさん！ご無事でしたか」
「大丈夫？怪我してない？」
「ハイ、兄者様のお陰でどこも」
「そう、良かった」
安堵した様に微笑みながら私の髪を優しく撫でるおついちに、私もほっと胸を撫で下ろす。
そうしているのもつかの間、おついちがえ？あれ？と声を上げた。
「兄者と一緒だったの？」
「あ、ハイ。そうですけど？」
「あらやだ。嫌味とか悪態吐かれなかった？」
「え？無い思いますが・・・」
私の発言に何度か嫌そうな顔をされた気もするが、悪態等は吐かれた記憶はない。
出口まで入り組んだ作りになっていた上に敵の配置がいやらしく、兄者からしたら絶対にお荷物だったであろう私に文句一つ言わず、確実に相手の急所に弾を撃ち込んでいく兄者は何処か楽しそうにさえ思えるほど上機嫌だった。ただ一つ気になると言えば、逃げる途中で急に考え込むように自身の銃と撃ち倒した敵を交互に見比べていたかと思えば、“何だ、つまんねぇな“と一言呟き、それを境に楽しそうだった表情がいきなり面倒くさそうな表情へと変わり、気怠そうに敵を倒し始めた温度差には肝が冷えた。何か失礼を働いたかも知れないが、怖くて結局聞けずじまいだ。
「そうなの？へぇー、あの兄者がねぇー・・・」
ニヤニヤと何故か楽しそうに笑うおついちに首を傾げながら、私は持っていたパソコンを差し出した。
「兄者様からおついちさんに渡しておくよう、仰せつかりました。申し訳ないのですが、私の技量ではこの先のメインプログラムは解けないので・・・」
「なんだ、僕が組んだ管理システムじゃん。アイツ、こんな事に僕の管理システム使いやがって・・・。そう言えばこのパソコン、例の試作品のホルスターの中に隠してたんだって？」
そう言っておついちは近くにあった螺旋階段に座って受け取ったパソコンを膝の上に置き、閉じていたパソコン画面を開いた。映し出される数列に視線を向けながら片手で自身の隣をポンポンと叩き、私に座るよう促す。
「え？あ、ハイ。言いましたっけ？」
そう言いながらおついちの隣に腰掛けた私に、いんやと視線はそのままにおついちは答え、キーボードを叩き始めた。
「Aちゃんからじゃなくあのピエロがペラペラ喋ってくれてね。本当、昔からゲス野郎だけど馬鹿と天才は紙一重と言うか何と言うか」
【NEXT】
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アルバ(プロフ) - 雪さん» 初めまして今晩は。作品を読んでくださり有り難うございます！(*´ω｀*)亀更新で申し訳ありませんが、またちょこちょこ覗きに着てくだされば幸いですm(_ _)m (2023年4月21日 0時) (
レス) id: 72af701c94 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 何ヶ月何年経っても貴方様の書いてくださる作品に心癒されています！本当にありがとうございます！ (2023年4月15日 1時) (レス) id: 3b9fd3f12e (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - 神威琉璃さん» 初めまして、今晩は。他の作品も読んで頂き有り難うございます(*´∀｀)そう言って頂けて、とても嬉しいです！(*´ω｀*)マフィアものも少しずつですが執筆しておりますので、ちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです(*´-`) (2020年2月25日 23時) (レス) id: 0f4ad8ad92 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - はじめまして！アルバさんの小説はすべて読ませていただいて大ファンです！特にこのマフィアパロが相当大好きです！御三方のかっこよさ、ヒロイン達の可愛さ等など上げだしたらキリがありません！これからも応援しております！ (2020年2月25日 17時) (レス) id: ef9053a518 (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - スノーさん» 初めまして、今晩は(*´ω`*)自由過ぎるくらいキャラを好き勝手書いていますが、そう言って頂けてとても嬉しいです！有難うございます！これからはもう少し更新スピードを上げられるよう頑張りたいと思いますので、遊びに来て頂ければ幸いですっ（´-`) (2020年2月23日 0時) (レス) id: d87d40427d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年11月10日 0時
