不協和音2(アラスター) ページ2
私を思い通りにしたいのならば幾らでも手段があるだろうに、未だにそうしようとする気配が一切ないのが不思議だ。
「ねぇ、何で私に付き纏うの？」
歩みはそのままに私よりも背の高い彼を見上げるように視線を向けた。彼もまた歩みを止める事なく、変わらないニヤリとした笑顔で私を見つめ返す。
「Aと居るととーっても楽しいからさ」
「貴方を楽しませるような事をした記憶など一切ないけど？」
「確かにAは何もしていない。が、私にとってAはいつも刺激的だ。こうして話しているだけでも心踊る魅力的な存在、私が楽しむには無くてはならない存在なんだよ。分かるかい？」
彼の言い分は1ミリも理解できないし理解したくもないが、どうやら私には彼の本能を擽る何かが有って随分と気に入られているらしいと言う事だけは分かった。
「遠慮します、辞退します、勘弁して下さいっ」
こんな殺戮前にいたぶって楽しむみたいな事、命がいくつあっても足りやしない。
「おや、私に対して緊張なんかしなくて良いんだよ？もっと気楽に行こうじゃないか〜。さて、まずは服屋へ赴くとしよう。今以上に可愛く着飾って出掛けようじゃないか」
そう言って彼は流れるように私の手を取ると、逃げられないようにそのまま腕を絡ませて身体を密着させた。慌てて離れようにもガッチリと掴まれて逃げられる気配がしない。
「ちょっ、何してっ・・・！？」
今までなら適当に誤魔化し続けていれば飽きたように途中で消え去っていたのに、こうして彼が行動に示した事に驚きを隠せない。パニックになる私とは裏腹に、彼は嬉しそうに首を振りながらもう回りくどい事はやめだと呟いた。
「時間は腐るくらいにあるんだ。私がAの事を知るのとAが私の事を知るのに充分なほどに。今日こそは逃がさないよ、A」
愛おしそうに見つめるその狂気な瞳が
まるで獣の瞳のように
私を捕えて離さない
【END】
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アルバ(プロフ) - 白うささん» コメント有り難うございます！(*´ω｀*)亀更新ですがアニメ見ながら頑張りますのでちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです！ (2月11日 0時) (
レス) id: 2a9e1da35c (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - え？？？え、え！？なんか神作見つけちゃったんだすけど、、好きすぎる、、、更新頑張ってください！！ (2月10日 19時) (レス) @page5 id: 0256cf9f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2024年2月3日 1時
