不協和音(アラスター) ページ1
ーーー君と2人でーーー
「やぁ、ご機嫌如何かなお嬢ちゃん？」
マイクを通したノイズ交じりの声が闇の中から聞こえる。声がしたであろう暗闇の路地を見つめればニヤリと笑う口と紅い瞳が此方を見ていた。
「何か用？アラスター」
溜め息混じり応える私に彼はつれないねぇと言いながら暗闇から姿を現した。
「用が無いと会いにきちゃいけないのかい？」
「用があっても会いに来て欲しくないわね」
ラジオデーモンなどと呼ばれている最悪な奴に会いに来られて喜ぶ奴などこの地獄では類い稀であろう。この数日、何の気まぐれかは知らないが彼に付き纏われ続け、四六時中死の恐怖に晒され過ぎたせいか恐怖を通り越して最早はた迷惑とさえ感じ始めるくらいにまで慣れてしまった。ふいっとそっぽを向いて反対方向へと歩き出す私に彼は軽快なステップで隣にやって来てさも当たり前のように並んで歩調を合わせる。
「何処へ行くんだい？」
「着いて来ないでって言っても着いて来るから帰ろうかと思ったけどこのまま家に着いて来られても困るからどうやって撒こうか考え中」
「折角のお出掛け日和に帰るなんて勿体無〜い。服を買いに行くのかい？それともコスメ？Aが行くところなら全部付き合うよ〜。あ、その後一緒に食事でもどうだろうか？良い店を予約してあるんだ」
「・・・人の話聞いてた？」
わざと嫌味を言っているのに当の本人は気にする素振りもなく、マイクが付いたステッキをクルクルと振り回しながら彼は勿論だよ〜と笑顔で答えた。
「だけどその話は聞き入れられないなぁ。理由は私が楽しくないから」
「貴方の楽しさ云々の為に私が迷惑を被っているってのはどうなのかしらね。貴方のお陰で何件店を出禁になった事やらか・・・」
「おや、それは申し訳ない！でも怒った顔も可愛いよ♪そうだな、店の方には私がよく言っておくとしよう」
そう言ってウインクする彼だがどうも胡散臭さが滲み出ている。次行った時に跡形も無くお店が消えていませんようにと願いつつ、私は歩みを止めずに横目で彼を見た。黙っていれば紳士的な男に見えなくもないがその変わらない笑顔と言う名の仮面の下には邪悪や嗜虐を隠し持ち、惨虐極まり無い絶対的な暴力を持った悪魔。
【NEXT】
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アルバ(プロフ) - 白うささん» コメント有り難うございます！(*´ω｀*)亀更新ですがアニメ見ながら頑張りますのでちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです！ (2月11日 0時) (
レス) id: 2a9e1da35c (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - え？？？え、え！？なんか神作見つけちゃったんだすけど、、好きすぎる、、、更新頑張ってください！！ (2月10日 19時) (レス) @page5 id: 0256cf9f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2024年2月3日 1時
