帰想本能2(兄者) ページ35
「あとはそうねー・・・」
思考を巡らしながら私は彼の胸から背中を離し、腰を上げて彼に跨る様に座り直した。正面から向かい合って彼の両肩に手を置き、ぐっと体重を掛ける。
私の行動に彼は黙って私の両腕に手を添えながら後ろへと倒れ、ベッドの上で仰向けになる。そんな彼の上に乗り、唇と唇が触れ合いそうな距離までゆっくりと顔を近付けて私は微笑んだ。
「一度心を許したらとことん甘えてくる所とか?」
「人の事言えねぇだろ?」
「・・・それもそうね」
自分の行動から納得する私に彼は鼻で笑いながら、私の両腕に添えられた一方の手を腕から肩、首筋から後頭部へと移動させる。
「でもま、他の奴に盗られねぇよう、首輪はしとかねぇとな」
そう言って彼は後頭部に置いた手に力を込め、下げた私の唇に静かに口付けた。
猫は家に付くと言うが
愛する人がそこに居るからこそ
また会いに戻って来る
唇が離れ、彼の紺碧の瞳を見つめながら私はずっと望んでいた想いをそっと呟いてみた。
「ねぇ、寂しく感じさせない様に沢山愛してよ」
「・・・良いぜ?とことん愛してやるよ」
そんな私の言葉に彼はニヒルに笑って応えた。
【END】
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時