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「きっとAちゃんに迷惑もたくさんかけると思う。ゲームばっかりで、きっと寂しい思いもさせると思う。だから諦めよう、て何度も思ったんだよ。
でも、俺Aちゃんが本気で好きだから……諦めきれなくてさ、他の誰かに君が取られることを考えたら、本気で無理だった。怒りでどうにかなりそうだった」
私は諦めてた。アナタより年上で、なにより釣り合わないって思ったから。みんなに愛されたみんなの実況者さん。そんなアナタを独り占めなんてできないから、きっと独り占めしたくなってアナタに迷惑をかけるから。でも私もなんども他の子と結婚するアナタを想像して、苦しかった。
「そばにいたくて……ずっと、Aちゃんの」
「弟者くん…」
「…… Aちゃん、俺、さ、Aちゃんにとって頼れるいい男になるって誓うよ。だから
俺と結婚を前提にお付き合いしてくれませんか」
そっとポケットから取り出した、ベルベット調の箱を開け弟者くんは私に指輪を差し出した。
「っ」
口元を両手で覆い思わず漏れそうになる嗚咽を押し込める。
まさかそんな、こんなことってあるのだろうか？
こんな嬉しいプロポーズ、初めて。
「……いいの、私で」
「Aちゃんじゃないとやだ」
「私、弟者くんより年上だよ。もうおばさんだよ」
「そんなの関係ない。Aちゃんであることが大事なんだ」
「弟者くん…」
「Aちゃん……いや、A。絶対に幸せにする。後悔もさせない、だから俺の手を取ってくれませんか」
真剣な目。この目が一等好きだった。最初は本当に弟のように思ってた。でもそれがいつの間にか恋心になって、諦めかけてて、それがまさかこんな形で報われるなんて思ってもみなかった。
「ダメだよ、弟者くん」
「え」
「幸せにする、じゃないよ。2人で幸せになるんだよ？」
「…… A、それって」
「不束者ですが、よろしくお願いします」
指輪を持つ弟者くんの手を自分の手で包み込み笑顔で返せば、顔をクシャッと歪めた弟者くんに強く強く抱きしめられた。
「ありがとうA…！！！大好きだよ、愛してる！！もう離さねぇ！！」
「ありがとう弟者くん、私もずっと大好きだったよ」
お互い涙を流しながら背中に手を回して抱き合う。
あぁ、こんな幸せなことってあるんだな、て生きててよかったな、て。
おでこを合わせて目を合わせる。
どちらともなく唇を合わせれば、はじめてのキスはすこししょっぱかった。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
