とある看守長のカオスな日々

その１９　お化け屋敷へようこそ〜　　by美桜香 ページ25

「不気味な建物だね。お化け屋敷かな？」

「確かにそんな気がする。……この島は遊園地？」

海藻3人衆の会話はとても平和である。これからの運命を知らないからだね。

「実際、モノホンのお化け屋敷だけどね。」

美桜香の言葉に、結翔が顔を引きつらせる。

『結翔はここにくるの初めてだっけ？説明しよう！ここには普通に幽霊が出るのだ！モノホンのが！』

「来なきゃよかった……。」

結翔ってもしかして、こういうの苦手？

『ほとんどの幽霊が無害だし、大丈夫だと思うよ。』

時々有害なのもいるけど。

「あ、ゆ〜れい！」

かぐやが目の前を指さして子供のようなノリで言った。

……私達の目の前を、死刑服を着ている半透明の囚人が通り過ぎた。

『そんなUFO見たようなノリで言わないでよ。モノホンなんだから……。』



「見て〜！すごくリアル！本物みたいだ……。」

「血の再現度とか本当に凄すぎる。この立体映像を作った人は天才だ！」

囚人たちは目を輝かせて興奮している。

その幽霊はモノホンだよ。

ここは処刑場の建物。死刑囚たちの幽霊が徘徊しているのだ。

知らぬが仏、知らぬがflowerだね！


＊＊＊


外巣side



お化け屋敷の長い通路を歩いていると、開けた場所に出た。

沢山の長椅子が、ガラス張りの窓の方を向いて並んでいる。

「ここは？」

思わずつぶやく。

「闘技場見物室へようこそ！房番号順に長椅子に座ってね。」

「嫌だ！」

看守長の声に、鬼雷が代表して反抗してくれた。

「……。」

看守長の無言の圧が、非常に怖い。

鬼雷はスライディング土下座をした。

「鬼雷様の土下座！」

「尊い……！」

鬼雷のファンが喜んでいる。

とりま、俺は怒られたくないし席につくか。

「そこ、俺の席。」

鬼雷、ごめん。

「あのワカメ、鬼雷様の席に……。」

「いいな〜」

なんか羨ましがられている件について。

「みんな座ったかな〜？美桜香、こっちはOKだよ。お願いします！」

看守長が美桜香看守にそう言った。

「任せて！」

何の会話？

すると美桜香看守が壁にあるボタンを押した。

床から漆黒の金具が出てきて足、手首を固定された。

「なにこれ！？」

カオスな予感がする……。

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