その46 それは、誰にもわからない……。 by咲紗 ページ17
ー翌日の放課後ー
「吾琥叙がまだいるか見に行こうよ!」
椿が提案する。
『まだいるでしょ。だって今日、学校で見かけなかったし。』
「でも、様子が気になるでしょ?」
確かに。
***
というわけで女子トイレに来たのだが……。
昨日よりにおいが濃くなっている気がする。
それに、女子トイレの壁や床が微かに深緑色に染まっているように見える。
あと、空気もなんかよどんでいてカオスな色をしているような……。
「ねえ、君たち。」
トイレから結構可愛い女性が出て来た。
正確に言えば、便器の中から人が出て来た。
彼女は私達に話しかけた。
私は思わず叫んでしまった。
『トイレから人が出てきた!!汚い!!』
謎の女性はショックを受けたようだ。
「その言い方は無いでしょ。私はトイレの……。」
『花子さん?』
適当に言ってみたが、どうやら違ったようだ。
「私は華子!!……とにかく、この変なにおいのするゴrrrrrrリラ、返す!!」
「あ、私達もいらないんで。あげます。」
予想通り、椿は拒否した。
「いや、私が住んでいる場所が物凄いにおいになってさ……。徹底した掃除と消臭と除菌でものすごく清潔にしていたのにアイツが……。あんな奴、引きずり込まなければよかった。」
『どうしてその行動に至ったの?』
「私の家の入口の前でずっとコサックダンスしていて、外に出られなかったから。」
それは普通に嫌だね。
華子さんの行動がよく理解できた。
「ウッホォォォォォォォォ!!」
トイレの中から某ゴrrrrリラの叫びが聞こえる。
「というか、私は迷い込んできた人を溺死させるのが趣味なのに、こいつ不死身でつまらない。」
ん?今、聞いてははいけないことを……。
逃げるんだよ〜ん!
***
No side
「ウッホォォォォォ……。」
苦しそうな吾琥叙の喘ぎ声と共に、吾琥叙が浮上してきた。
「ウ、ウホォ!?」
吾琥叙は脱出できたことに驚いているらしい。
「ウッホウッホホ!!ウホウホウッホ!!」
吾琥叙は、顔に醜い笑みを浮かべた。
どうして吾琥叙はコサックダンスをしていたのだろうか。
それは、誰にもわからない……。
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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年5月11日 8時