戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！

その５　　止まった時計。そして、硬直した咲紗ちゅわん。　　by外巣 ページ6

「というか、さっきから時計が動いていないよ。」

楓が咲紗さんを助けるため、話題を変えた！イケメン！

『だよね。もう５分くらいたっているよ。』

私も加勢する。

「よし！俺は咲紗ちゅわんと２人で屋上にある大きな時計を調べに行くよ！」

……そうきたか。

「遠慮しておきます。」

そして当然、断られている。

「仕方ない。優しい俺は、可哀そうなモズクと一緒に屋上に行くよ。」

「俺はモズクじゃなくてワカメ！……誰か、ドライヤー貸して。」

学校にドライヤー持ってきている人ってあんまりいないと思うけど。

「……これ貸す。」

何気に優しい咲紗さんが外巣にドライヤーを渡した。

「これはまさか、咲紗ちゅわん愛用のドライヤー！？やったー！！」

外巣、嬉しいのは分かった。

だから、ドライヤーに頬ずりをするのはやめてほしい。

咲紗さんが硬直しただろっ！


＊＊＊


楓side



生ぬるい風が吹いている。

俺と外巣は階段をのぼり、屋上に来た。

「屋上に来るのは久しぶりだな〜こんど咲紗ちゅわんとここでデートしよう！」

外巣の言葉がきっかけで文化祭の時の事を思い出した。

「楓、どうした？悩み事か？」

俺の様子の変化に外巣が気づいたらしい。

「いや、ちょっと……。色々とあってね。」

「ふ〜ん。あ！あそこに美女がいる！とりま、ナンパ……じゃなくて、話しかけてみるか。」

やっぱり此奴はゲスワカメだ。


＊＊＊


「ねえ、そこの君、何年何組なの〜？」

外巣が謎の女性をナンパした。

「私は中3C組。気安く話しかけてこないで。」

外巣は軽く撃沈した。

「Never give up！……そんなこと言わずにさ〜」

外巣は懲りずに謎の女性に話しかけた。

謎の女性は無視している。

「ねえ、俺のことがそんなに嫌い？」

外巣は謎の女性にボディタッチをしようとした。

しかし、外巣の手は謎の女性を通り抜けてしまった！

「助けて！幽霊だ！」

外巣は悲鳴をあげ、半分泣きながら俺に駆け寄ってきた。

どうやらこのワカメは案外ビビりなようだ。

「お前、気づかなかったのか？あの女性は半透明だったし、それに中3C組……つまり俺たちのクラスにはあんな人いないぞ。」

「確かに。」

外巣はビビりだが、少し鈍感でもあるのかもしれない。

その６　　外巣のゲス味あふれる発言　　by咲紗→←その４　　外巣はalwaysナンパ野郎　　by主人公

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