戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！

その１５　下手な自動演奏ピアノ　　byかぐや ページ16

吾琥叙が担架で運ばれていき……。

ちなみに、吾琥叙が重すぎて担架が２つ壊れた。

どんだけ重いんだよっ！




そんなこんなで音楽室は再び平穏と静寂を取り戻した……。

というわけではない。

「そういえば、どうして私達は音楽室に来たんだっけ？」

かぐやの一言で、私達は思い出そうと必死になる。

「思い出した！下手なピアノの音を止めるためだ！」

かぐやは無事に思い出せたようだ。

彼女のおかげで私も思い出すことができた。

『……私達が気にしていなかっただけで、今もピアノはなり続けてるね。』

「ゑ？……本当だ。誰も弾いていないのに。」

かぐやの一言で、私は凍り付く。

……誰も弾いていないの？

ふりむいて確認すると、確かに誰も弾いていない。

背筋が南極並みに寒くなってきた。

『きっと自動演奏ピアノなんだよ。』

「そんなもの、この学校にあったっけ？そもそも自動演奏ピアノがこんなに下手なわけないよ。」

かぐや、それは言わないでほしかった。

まだ現実を直視したくないんだ。

『そっか。と、いうことは……。』

数秒間の沈黙が私達の間を流れた。

『幽霊だー！！！』

「どうしようー！！……で、でも、まだ決まったわけじゃないよ。」

かぐやが恐怖のあまり震えながら言う。

『そ、そ、そ、そうだよね。』

私も同じように震えながら返事をする。



ふと、ピアノの音が止んだ。

そして何かが近づいてくる気配がした。

一瞬見えたその姿は、体の輪郭以外透明で、いかにも幽霊幽霊していた……。

『助けてー！！』

「幽霊だー！！」

この世の終わりのようなカオスな悲鳴をあげながら、私達は一目散に逃げていった。

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