戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！

その１３　アップデートされたゴrrrrrrrrrrリラをお楽しみください！　　by咲紗 ページ14

半開きになっている音楽室の扉の向こうから、かすかに硫黄とアンモニアと塩素の混ざったにおいがする。

これは、多分彼奴がいるということだろう。

覚悟を決めて扉を開けると、音楽室の中にいたのは案の定アイツだった。

思わず、かぐやと声を揃えて叫ぶ。

『ゴrrrrrrrリラ！！』

「ゴrrrrrrrリラ！！！」

「ウホォ？……ウッホォォォォォォ！！」

吾琥叙も私達に気がついたようだ。

『どうしてお前がここにいるんだ！』

「ウッホォォォォォォォォォ！！」

「もう一度聞く。どうしてお前がここにいるんだ！」

かぐやも吾琥叙に質問する。

「ウッホォォォォォォォォォ！！」

しかし、吾琥叙は叫ぶばかりである。

『チョットナニイッテイルカワカラナイ〜』

「ウッホォォォォォォォォォ！！」

いい加減、日本語話せよ！

「ごめんごめん。吾琥叙がゴリラ語しか話せないようにしていた！」

咲紗さん……。それは、どういう状況なの？

「このゴrrrrrrrrrrリラ専用ゴリラガスを使ったんだよ！！」

ゴリラガス？カオスそうなガスだね。社長が持ってそう。

『ところで、吾琥叙から硫黄とアンモニアだけではなくて塩素のにおいまでするようになったんだけど！？どういうこと？』

「今日学校でやった実験の影響じゃない？吾琥叙が生まれ変わったら消えるとおもうよ。」

咲紗さんが平然と言い放つ。

それ、生きてるうちは二度と消えないってことだよね。

つまり「硫黄アンモニア塩素チキンツルーンゴrrrrrrrrrリラ」ってわけか。

「アップデートされたゴrrrrrrrrrrrリラを楽しんでね！」

咲紗さんはそう言って去っていった。

『何だったんだろう。というか、アプデの内容がいらなすぎて草。』

「わかる。これ以上吾琥叙を変なにおいにさせると、隣の席の私が困るんだよね。」

かぐやと話していると、また吾琥叙の雄叫びが聞こえてきた。

「ウッホォォォォォォォォォ！」

今のを訳すと、「私を無視しないで！」になる。

あれ？まだ此奴ゴリラ語話している……。バグかな？

「ウッホォォォォ！ウホォォォォォ！」

今のは「もう許さない！シバいてやる！」という意味だね。

……それはこっちの台詞さ！




こうして、久しぶりに吾琥叙との対戦が始まった。

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