クラスのアイドル（悪女）に制裁を ２

その６２　お前なんかに惚れるわけない！　　byかぐや ページ23

私達は乗馬体験をしたくて、馬がいる方へと歩いて行った。

しかしそこには先客ワカメがいたのだ！！

っていうかさっきからずっと外巣がいるんだけど。

セクハラストーカーエンカウント率異常ワカメめ。

「お前ら、乗馬体験するのか？」

外巣が尋ねた。

『悪い？』

「悪くはないが、どうせすぐに落馬するだろう。」

……なんだって？

「今社長たちに向かってなんて言った？その頭に生えているワカメ全部ひっこぬいてワカメスープにしてあげようか？」

結菜は怒りのあまり性格が少し変化したようだ。

外巣が震えながら返事をする。

「お前らの事だから、やり方もわからず強がっているだけだろう。」

『外巣の方が初心者なくせに。』

「そんなことはない！」

こいつ、嘘をついているな……。私にはわかる。

「今から俺は白馬を華麗に乗りこなして見せる。見てろ。惚れるぐらいかっこいいぞ！」

「お前に惚れることはない！」

かぐやが外巣に超正論を言い放つ。

「とにかく見てろ！！」

外巣はそういうと、近くにいた茶色い馬に乗った。

『白馬って言っていなかった？その馬は茶色いけど。』

「今はそんなこと関係ない。見ろ！この華麗な手綱さばきを！！」

外巣がそう言った瞬間、その馬は嘶きながら後ろ足で立って外巣を振り落とした。

外巣は空中で10回転して、地面に頭から落ちた。

「こ、こんなはずじゃ、なかった、の、に……。」

なんと、外巣は地面に頭から突き刺さってしまったのだ！

ざまあみろ！！


＊＊＊


騒ぎを聞きつけて牧場の人が来た。

「あ、その馬はとても荒い馬でして……。貼り紙をご覧になりませんでしたか？」

『たぶん見なかったんですね。』

牧場の人はトランシーバーを取り出した。

「すみません。ワカメが一人落馬して倒れています。さっきのお坊ちゃま風ヘアの子と同じように運んでもらえませんか？
ええ。ワカメ……すみません。中学生の男子です。とても似ていたので間違えてしまいました。
では、よろしくお願いします。」

色々とツッコミどころがありすぎるが……。

おそらく「お坊ちゃま風ヘアの子」というのは林の事だろう。

そして、牧場の人がうっかり「ワカメ」と言ってしまうくらい外巣の髪はワカメに似ているのである。

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