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39話 ページ40

「やっぱ楽しいっスか?殺し」

「ん!」


Aくんは口の周りを真っ赤にしながらキラキラした目で頷く。心の中でげんなりしつつオレがAくんの頭を撫でながらそいつの情報が出てこないかスマホで調べる。

血溜まりの上で踊り深呼吸をしてゴキゲンに笑い声を立てるAくんは、幸せそうだ。


「今日はメシ要らないっスか?」

「んー!おなかいっぱです」

「やっぱそっスよね」

「首はぁ、持って帰って来たから、だいじょうぶ!」


嬉しそうにどさどさと収納魔法で収納していたらしい首を落として見せる。これ全部確認しなきゃなんスか、うへぇ、と思いながら首を探っていると、恐らくシャチの首があるので耳を上げ、調べると──


「お!こいつめっちゃバリバリの賞金首っスよ!やったっスね!」

「やったー!」


Aくんはきゃっきゃっと喜ぶ。自分の血縁であることには気付いているのかいないのかわからないが。


「クズは〜Aごと〜根絶やしに〜するの!」


首複数個と血のレッドカーペットでダンスを踊りながらAくんは歌う。気付いてて上機嫌なのか、と再度うへえとなってしまった。

Aくんはクズ筆頭に自分の家を構成している人間を挙げた。だからまずAくんをオレが殺したと噂を広めて、そっちの方から出向かせるように仕向けて、出てきた奴を片っ端から。

転々としなければいけない生活は、しかし旅行みたいで、結構楽しかった。

悔いはない、と、思う。少なくとも、これより良い結末をオレは想像できない。


「ラギちゃ?」


Aくんはオレの顔を見て、口角を下げて心配そうな顔をしている。


「A、良い子じゃなかった?」

「い、……良い子っスよ〜!今日も頑張ったっスね!Aくんのお陰でなんの罪もない人が何人裏で助かってるか〜!」

「えへへへ、よかったぁ」


オレに撫でられてにへにへと笑うAくんの顔は以前と変わらず可愛い。

可愛くて。

自分の愛着を捨てられなくて、まともに人間関係も構築したことねぇガキにこんなことをさせる結末を選択したオレは、アンタよりずっとクズだと思うっスよ、なんて。

オレはその時に言えるだろうかと思ってしまった。

今日だって、キミが帰って来なかったらどうしようって、心配しながら、帰って来なかったらいいなって期待してたんスよ、なんて、言えるだろうかと。

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功徳(プロフ) - オパールさん» ありがとうございます!よろしければ他の作品も読んでくださると好みに合うかもしれません🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - とーっても…面白かったです!この作品を作ってくれて、ありがとうございます! (11月10日 19時) (レス) @page42 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 新.sinさん» 一気読みありがとうございます!これを気に入ってくださった方は私の別作品も気に入っていただけそうなのでおすすめさせていただいております……💕重ねてお読みいただきありがとうございました🥰🥰🥰 (2022年8月14日 16時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
新.sin(プロフ) - 一気読みしてきました。私が占ツクで見てきた作品史上最も好き!!って思いました!!素敵な作品をありがとうございました! (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: 03f8c9269c (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 黒恋さん» わーーいありがとうございましたお疲れ様でした〜!!!本当にありがとうございます……💕💕💕嬉しい嬉しいなあ…… (2022年6月2日 18時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年10月26日 9時

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