【ツイステ】頭ましになてきたら【ラギー・ブッチ】《完結済み》

23話 ページ24

「Aくん！どこ、どこ怪我したんっスか！見せて！」


オレが泣いているからか、Aくんも泣きそうな顔をして、おずおずと左手を差し伸べてきて──


「ひ……ッ」


オレは思わず小さく悲鳴を上げた。Aくんの左手の指は先端が欠けていたり、ほとんど根本から無かったりして。

傷口は、血が固まっているのと固まっていないのがあって、膿んでしまっているのも、まだ血がぽたぽたと垂れているのもあって。

誰にやられたんスか、と聞きそうになって、Aくんの歯形がついているから、自分でやったっていうことを理解してしまって、呆然とする。


「な、なんでこんな……い、……痛くねぇんスか……？」

「ごめ、ね、ごめ、ラギちゃ」

「……取り敢えず病院……いや応急処置だけはするっスけど……！なんで……！」



「A、しっぽなぃ、から、ラギちゃが、いたかたの、どんくらか、わかんな」



「クソ……クソ！！！なんでっスか！なんで！！！意味わかんねぇ！意味わかんねぇっス！」


オレが大声で喚くと、Aくんがしゃっくりあげてうわーんとガキがやるみてーにぼろぼろ勢い良く涙を溢して、顔を上に向けて泣き始める。オレもそうしたかったけど、なんとかぼやける視界のまま消毒液と包帯とテープを持ってきて、応急処置をした。

恐怖と似た感情で、延々と手が震えていて。

Aくんはそれを見てまた酷く泣いた。



Aくんの行動も、自分の行動も、言葉も、なんでここに居るのかも、どうしてこうなったのかも、全部丸ごと意味がわからなくて、歯を食い縛った。

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