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10話 ページ11

「い、いちお……1億……?オレ何人分っスか……」

「良かったじゃねぇか、ラギー。ちょっとの間遊んで暮らせるじゃねえか」

「細々暮らしてりゃ一生大丈夫っスよ……」

「は?んな訳無いだろ」

「レオナさんの方こそ、いくら遊んだからってちょっとの間で使い切れる訳無いでしょ。めちゃくちゃ贅沢しても使い切るのに10年はかかるっス」


何回目かわからない金銭感覚についてのレオナさんとの言い合いは、しかし自然とAくんに2人で目を向けることで止まった。


「……?」


パンをほんの少しずつ千切ってはもそもそ食べていたAくんは、しかしオレたちの視線に気付き微笑みながら頭に疑問符を浮かべる。


「……Aくん」

「ん」

「大好きっス」


オレがそう言ってAくんのお腹に顔を埋めぎゅううと抱き締めると、しかしいつものように喜ばないから顔を見上げると。

いつもの微笑みを浮かべたまま真っ赤になっていて、オレは腹を抱えて笑ってしまった。腹を抱えてって、Aくんの腹を抱えてだけど。


「ふ、ガキが一丁前に照れてやがる」

「いや〜マジで好き!Aくん大好き!もう一生一緒にいてくださいっス!」

「やめろラギー、ガキは真に受けるぞ」

「真に受けてくれたって良いっスよ〜!ってかAくん結構前にオレにキスしてくれたし、両想いっスよね!?」


オレが真っ赤になったAくんにね!?ね!?と問い掛けるけど、Aくんはなんの反応も返してくれない。


「フラれたな、ラギー」

「あのキスは遊びだったんスか〜?Aくん……」

「おい、それ以上はマジでやめておけ」

「はーいっス」


レオナさんが何故か結構マジに焦った顔で止めるので、やめておくけれど。


「でもホリデー……オレはスラムに戻らなくちゃいけねぇし……Aくんスラム連れてって大丈夫っスかねぇ?」

「近くに家でも買えば良いんじゃねぇか?」

「お、王族の発想やめてくださいっス……でもそっか、それもアリっスね……お金はAくんの為にちゃんと使ってあげるっスからね。勿論オレも取り分貰うけど」

「変な所で真面目だよな、お前」


レオナさんがくあぁと欠伸をしてごろんと背を向けるので、レオナさんの寝るの邪魔しちゃ怒られるっスからねとAくんを持ち上げて植物園を出る。ふと顔を見ると、まだ真っ赤な顔をしているものだから、オレは堪え切れず吹き出した。

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功徳(プロフ) - オパールさん» ありがとうございます!よろしければ他の作品も読んでくださると好みに合うかもしれません🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - とーっても…面白かったです!この作品を作ってくれて、ありがとうございます! (11月10日 19時) (レス) @page42 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 新.sinさん» 一気読みありがとうございます!これを気に入ってくださった方は私の別作品も気に入っていただけそうなのでおすすめさせていただいております……💕重ねてお読みいただきありがとうございました🥰🥰🥰 (2022年8月14日 16時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
新.sin(プロフ) - 一気読みしてきました。私が占ツクで見てきた作品史上最も好き!!って思いました!!素敵な作品をありがとうございました! (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: 03f8c9269c (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 黒恋さん» わーーいありがとうございましたお疲れ様でした〜!!!本当にありがとうございます……💕💕💕嬉しい嬉しいなあ…… (2022年6月2日 18時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年10月26日 9時

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