18話 ページ19
「ラギちゃ、Aのおとさとおかさ、見たことあ、る？」
「んーん、無いっスよ」
「A、時々電話するけど、おこ、……おこられ、から、」
「……どうしてっスか？」
「A、はなすとき、息が続かな、から」
「……それで怒られるんスか？」
たしかにAくんは小さく呼吸を挟みながら、ゆっくり、途切れ途切れに喋るけれど、どう見たってわざとやっている訳でもないし、ちゃんと聞き取れるのに。
「……おこられ、と、やめようとおもって、息いっぱい吸って喋って、ぜえぜえする、で」
「そんな、何の問題も無ぇっスのに」
「……普通に、喋り方、したぃ」
「……」
「ど、やって、昔のAやってた、の」
「……」
「しゃべりすぎと、溺れそうに、なる」
Aくんがいっぱい喋ると、やはり暫くして呼吸が乱れて休憩をとらないといけなくなる。食べ物を食べる時には問題がないから、肺などの問題じゃなく喋ることに対しての緊張もとい癖で、喋っている最中は呼吸が浅くなってしまうんだろうな、とずっと思っていた。
そしてその憶測は正しそうで、その上で、こういうのは気にすれば気にするだけ悪化していくものだから。
「マジで気にしない方がいいっスよ、Aくん」
「……」
でも、NRCに居る頃はそれを揶揄われても全く気にしていない──というかすぐ忘れているだけだったのかもしれないけど──様子だったから。これは進歩と言えるのだろうか、とまた複雑な気持ちになる。
「でも、きのう、ラギちゃがお仕事してるときに電話、きて、……ラギちゃとは、ずっとともだちでいなさい、て」
思わず、Aくんの方を凝視する。
気にしすぎかもしれないけれど、�爐箸廊瓩箸いΩ世な�が、やけに鼻についた。
「A、おかさんに、よく、優しいって褒められ、けど、優し、のかな」
「……どうなんスかねぇ」
オレは言葉を濁した。触れていい場所かどうかがわからない。掘り返していい場所かどうかがわからない。
「……なんで、A、おとさおかさに、ともだちを大切にするって思われてる、のかな」
思わず溜息を吐く。レオナさんとあの時話していたことも、Aくんは忘れているんだろうし。
「なんでもいいじゃないっスか。そんなこと考えてると眠れなくなるっスよ。明日もお勉強するんスから、いっぱい寝て頭スッキリさせないと」
「がんばる」
Aくんは最近、少し言葉が辿々しいだけの普通の賢い子供という感じで、随分調子がいいから。
崩したくないと、そう思った。
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功徳(プロフ) - オパールさん» ありがとうございます！よろしければ他の作品も読んでくださると好みに合うかもしれません🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - とーっても…面白かったです！この作品を作ってくれて、ありがとうございます！ (11月10日 19時) (レス) @page42 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 新.sinさん» 一気読みありがとうございます！これを気に入ってくださった方は私の別作品も気に入っていただけそうなのでおすすめさせていただいております……💕重ねてお読みいただきありがとうございました🥰🥰🥰 (2022年8月14日 16時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
新.sin(プロフ) - 一気読みしてきました。私が占ツクで見てきた作品史上最も好き！！って思いました！！素敵な作品をありがとうございました！ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: 03f8c9269c (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 黒恋さん» わーーいありがとうございましたお疲れ様でした〜！！！本当にありがとうございます……💕💕💕嬉しい嬉しいなあ…… (2022年6月2日 18時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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