第3話:五月十五日と八月十五日 ページ9
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実験に片付けは付き物である。
二万体もの人形を壊す実験なら、尚更だ。
「お邪魔しまァす」
一方通行は、ふらりとその施設に立ち寄った。
警備員が大袈裟な反応をしていたような気がする、とぼんやり考えながら「そこ」へ行く。
「……被験者が何故ここに居るのですか。とミサカは首をかしげます」
「掃除の時間なンですよ。邪魔すンな」
「ミサカも掃除の役目を担っています。正確には他にも五、六人程担い手が来ます。とミサカは己の役割を明らかにします」
一方通行は何か考える仕草をして、「あァ、そういう事か」と納得した様子を見せた。
『何故ここに被験者が？ とミサカ九九八一号はミサカネットワークを通じて問いかけます』
『
『最初から続けているようなので、何らかの意図があるのでしょう。とミサカ九九八〇号は適当な回答をしてみます』
「そこ」に会話は無い。
しかし「
そんな会話を知る由もない一方通行は、無表情で「それ」落とす。かつて自分が壊した人形の体から零れる、赤い液体が固まった物を。
この「掃除」を、一方通行は最初に人形を壊した時から続けていた。
路地裏に一つの足音が響く。好物を買えなかった一方通行は、どこか苛ついているらしい。
前髪を払いながら、細く切り取られた夜空を見上げる。
黒い空に手を伸ばす。当然だが、届かない。
一方通行は、自分の髪を一撫でした。
自分が望む温もりは、無かった。
一方通行の向かいから、九九八二号が歩いてくる。
「現在時刻は二十時四十八分です。第九九八二次実験開始まであと十一分四十秒ですので、指定のポイントへの移動をお願いします」
一方通行は表情を変えずに、指定のポイントへ歩を進める。
一瞬。
一瞬だけ、唇を三日月に歪めた。
第3話裏:絶対座標を間違えたらしい→←第2話裏:名言聞きたかった
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ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (
レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時
