第14話:八月三十一日(深夜) ページ33
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八月三十一日。
それは学生なら大抵「来なければ良いのに」と思う日である。八月三十一日が過ぎれば新学期が始まり、授業にテストに
「宿題終わってない」と。
八月三十一日。とある少年の絶叫が寮に響き渡り、夏休み最終日が幕を開けた。
一方通行は路地裏にいた。そこは自分にとって馴染みのある場所だった。彼女が行っていた実験の性質上、こういった路地裏はすべて頭に叩き込まれている。そんな中、細く切り取られた夜空を見上げながら、一方通行は考えていた。
八月三十一日。原作を知っている「とある少女」は、自分にとって今日がどんな日かを理解していた。脳に深刻な損傷を負い、言語能力や計算能力を失う日。それ以前に、そんなどうでもいい事より、彼女の思考を支配していたのは――。
「あ？」
一方通行は、周囲の沈黙に気付いた。つい先程まで、ナイフだの金属バットだのが飛び交っていたはずなのだが。まあ静かになったのならそれで良い。今は深夜なのだから、近所迷惑は控えなければ。一方通行にとって、周囲の喧騒はその程度の認識だった。ナイフや金属バットの矛先が自分だとしても、それは一方通行の気を引く材料には成りえない。彼女の気を引きたいのなら、今頃風呂場で眠っているであろう男子高校生や今頃街をうろついているであろう幼女や今頃どこかの研究室で何かを行っている科学者を連れてこなければならなかった。
「たく……」
しかしそれよりも安全かつ楽な方法は、缶コーヒーの新作を持ってくる事だ。彼女の右手に握られているコンビニ袋には、八本の缶コーヒー(全て新作)が入っているのだから。
「缶に穴空いたらどうしてくれンだ全くよォ」
足元に転がるスキルアウトに発した言葉は、誰の耳にも届かなかった。かつて、つい先程まで、ナイフを金属バットを握っていたスキルアウトは息をする作業さえしていない。一方通行にとって、人間の基準は明確だ。原作「とある魔術の禁書目録」で生存し、原作に関係する活躍をしている、または活躍をする人物。それ以外の人物を、彼女は人間と認識していない。だから、こうも簡単に手を下せるのだ。
道端に生えている雑草を、無造作にブチリと引き抜く様に。
第14話裏:医学の力ってスゲー。→←第13話裏:痛いンですけど。
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ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (
レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時
