プロローグ ページ1
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超能力。
非科学的な存在であるはずのそれが科学的に生み出されている、アンチ・オカルトの学園都市。
「やっと帰れる……！」
ぐーっと伸びる高校生――上条当麻は、完全下校時刻まで補習を受けていた。
異能の力なら何でも打ち消せる力を持っている上条に、超能力の開発なんて出来るはずもないのだが。
「上条クーン」という背後からの呼び掛けに、上条は振り返る。
「完全下校時刻を過ぎてもまだ制服ってのは一種のファッションですかァ？」
中途半端に伸びている白色の髪。
ベンチの背もたれに頬杖をついて、ニヤニヤと歪められている赤い瞳。
「……私服センスが
瞬間、上条の顔面に缶コーヒーが飛んできた。中身が入っているどころか、未開封の新品である。
「世の中には言って良い事と悪い事があるンですよ」
自覚しているのかしていないのか。
学園都市で七人しか存在しない
「お前の所、電化製品無事だった？」
「……朝起きたら、缶コーヒーが温くなってた」
「あ、だから今日は目付き悪いのか」
「いやコンビニで冷えてンの買ったけど」
「そこは上条さんに話を合わせて『やっぱ分かる？』みたいなやり取りをする所だと思うんですが」
昨日の落雷のせいで、上条の部屋は悲惨な事になっていた。主に食材が。
これからの食生活に頭を抱える上条をケタケタと笑いながら「ツイてないねェ、お互い」となじる一方通行。
「あァ、そうだ思い出した」
今日の朝食メニューを言う様に、一方通行は上条に尋ねる。要約して、「遺言って何かある？」と。
「えっと……それはつまり貴方様のサウンドバッグになれという事でしょうか？」
「置き場に困るから要らないなァ」
上条は「じゃあ何なんだよ……」と肩を落とす。
「数日後には上条クン死ぬから、聞いておこうかと思って」
「……は？」と上条は首をかしげる。
「だァーかァーらァー」
一方通行は少し苛ついた声で、再び口を開く。「あと数日で上条は死ぬ」と、何度もただ繰り返した。
「まァ、無いなら捻り出さなくてもいいか」
一方通行はベンチから立ち上がり、そのままスタスタと歩いていく。
「それじゃ。サヨナラ、上条クン」
一方通行が振り向き様に見せた笑みは、いつもと何も変わらなかった。
「何だったんだ……」
上条も歩みを再開する。
さっさと帰って、夕飯食べて、寝るために。
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ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (
レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時
