キス魔の轟君。【轟焦凍】 (ページ4)

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キス魔　2 ページ4

*

「あっ、やっと帰ってきた。」

「Aちゃーん！ねぇ、どこにいたの？」
『きょ、教室で涼しんでた...。』

「遅かったな、轟。」
「あぁ、ちょっとな。」

告白(?)された後、私はダッシュでその場から
逃げたけど、轟君の方が速くて結局一緒に寮に
戻った。
いや、正直に言うと私結構早歩きで歩いて
ましたけど...。

『...暑い。』

「A、すごい汗かいてる。」
『ふぇ、嘘っ。』

「お風呂入りに行こー！」

『っ、うん！行く！』

少し、少しだけ轟君と目があったのは、
気のせい...だよね？

「轟？風呂行こうぜ！」

「...あぁ。」

.

.

『ねぇ三奈ちゃん、まだガリガリ君
残ってた？』

「ん！きゅーしゅーみかん残ってるよぉ！」
『えっ、やったぁ！』

「毎日のように風呂上りにアイス食べる
よね。」
『だって、お風呂上がりのアイスが一番
おいしいんだもん！』

そう共有スペースにいる三奈ちゃん達に言い
残して、冷蔵庫のあるキッチンに向かう。

扉を開くと、さっきまでの暑さを忘れられる、ほど良い冷風が頬を撫でる。

あった！ガリガリ君！

冷凍庫を閉めて、キッチンから離れようと思った時だった。

「天魅月、」

『っ、！？と、轟君...？』

私の前に立って、通り道を防ぐ轟君。
...さっきまで、涼しかったのに、

「会いたかった。」

『ふぇ...！？！？！？』

轟君に会うと、すぐ暑くなっちゃう。

「なぁ、なんか他にアイスあったか？」

『...あ、えっと、雪見大福、ある。』
「そうか。」

そういうと、轟君は私の横を通り過ぎて冷凍庫を開ける。
い、今のうちに...

「おい。」

『っ、』

逃げようと思ってキッチンから出るとき、咄嗟に私の腕をつかんだ轟君。

...轟君の手、あっつい。

「会いたかったって、言ったろ。」

『！？...あれ、本気だったの...？』

.

ちゅ

.

『...へ、！？！？！？』

腕を引っ張られたと思ったら、顔が近づいて私と轟君の唇が当たる。
ま、また、キス...！！

「好きな奴に嘘はつかねぇ。」

『っ、！？...もう！』

アイス、溶けちゃうよ。