、、、、、悪、、、。 ページ7
、、、、、、
「それで何となく私の事を避ける様になっていったそうです。
そして、その間にも彼女はどんどんと復讐していきました。」
「それで、昨日、ついに、全員を殺す事が出来たそうです。
だから私を呼び出して、一人でもいいから聞いて欲しくて、この話をしたそうです。」
「私は話が終わったと思った瞬間、ある事に気付いてしまいました。
私が話から彼女に意識を戻すと、彼女は目を伏せていました。」
「そして、
彼女は、
ポケットから、
折り畳みナイフを取り出し、
喉に、
勢い良く、
突き刺しました。」
「私が思わず駆け寄ると彼女はふらりと倒れました。私は慌てて彼女を抱き抱えました。
彼女は出血が酷く、喉もかなり深く刺した様で、
正直素人目に見ても、助かりそうにはありませんでした。」
「私は彼女が死にかけていると思っても、
特に何も感じる事はありませんでした。けれどほんの少し、目から何か液体がたれてきました。」
「私は漸く自分の罪に気付きました。
私は、悪役が好きなのではなく、ただ暴力や殺人が好きなだけだったのだと。」
「私は、ただの異常者で、画面の向こうの世界で、暴力に、悪に理由などないと決めつけ、
自分の中の夢を見ていただけだったのだと。」
「彼女の闇に気付けた筈なのに、誰よりもそのチャンスがあった筈なのに、
自分の欲望の為に目を背け続けたのは私なのだと。」
「私はもう一度死にかけの彼女を見て、
そして彼女を優しく床に置きました。」
「彼女は生きる事を望んでいないと分かっていたからです。
それが、私なりの償いだと思いました。
彼女を見捨てるなんてことは、私しかできない事だと思いました。」
「彼女を救えるのは、必要なのは、
優しい言葉でも、激しい叱咤でもなく、安らかな眠りだと思いました。」
「私は彼女に触れたところを一応ハンカチで拭いておきました。
彼女も殺害されたと無駄に疑われたくないでしょうから。」
「そのまま私は彼女を置いて家から出ました。
私の目からスッと何かが流れました。」
「私は、その後に今まで、行った事もない居酒屋に行きました。
なんとなく、酒を飲みたい気分だったんです。」
「そして、酒を数えきれない程飲んだ後、
急に人にこの話をしたくなって、貴方に話しかけました。」
、、、そうか、その子にはそんな事があったんだな。
お前も、頑張れよ。
「何のことですか?」
顔を拭けってことだよ。
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作者名:悪役好き。 | 作成日時:2018年4月26日 22時