進んで悪になり得たか。 (ページ8)

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私は皆が起きないよう、ゆっくりと準備をした。

モッズコートを着て、クロノさんから貰った銃と、ありったけの銃弾を小さなリュックへ詰める。

そして、死穢八斎會の特徴であったペストマスクを何ヶ月ぶりかにつける。

『しっくりくるなぁ』

あの時が鮮明に思い出される。あの、死穢八斎會にいた頃の記憶が。

他にリュックへ詰めた物といえば、自分が今持っている全財産。本当、数ヶ月暮らせるかくらいのお金だけれども。

あぁ、忘れていた。

例の銃弾を持って行かなければ。

これは、いざとなった時に使える。

忘れてはいけないもの。

銃弾をリュックに入れて、私は居間に出た。

私は紙とペンを取り、メモを書く。

書き終わった後、私は空が明るくならないうちに西沢家を出た。

さようなら。少しの時間だったけれど、ありがとう。

また戻って来る日はあるのだろうか。

いや、ないだろうな。

私は、悪へと本格的に手を染めるのだから。

さぁ、行こう。

若…いや、死穢八斎會の為であるなら、どんなことでも厭わない。

貴方の為なら、私はなんだってやるよ。

まっててよ、廻さん。

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この先、アニメ5期(漫画25巻～)からのネタバレを含みます。

ネタバレが苦手な方は、読むのをお控え下さい。