第８話 空を自由に飛びたいの ページ16
「では、私はそろそろ戻ります」
「さっさと戻ってください…」
「カルエゴくん、うちの有花様を宜しくお願いしますね」
オペラさんは先生の胸を人差し指でとんと突くと、踵を返して出ていってしまった。
何故か、窓から。
『なにゆえそこから…』
「近道なので」
◆◇◆
「はぁ……」
大きな溜め息が、静かになった広間に吸い込まれていく。
さっきまで賑やかだったせいか、世界から音が消えたんじゃないかと思う程の静けさだ。
『お疲れ様です、カルエゴ先生…』
「行くぞ、次だ次」
先生はさっと身を翻すと、私を置いて足早に行ってしまう。
『あっ、置いてかないでくださいよ！』
急いで後を追いかける。
ここで見失ったら確実に迷子になる。
見失わないようにしないと。
『次って、何やるんですか？』
先生に追い付いて並んで歩いている途中、
なんとなく沈黙が気まずくなってそんな事を聞いた。
「飛行試験だ」
『へぇ〜、飛行…』
私飛べないんですけど。
『因みにどこから飛ぶんですか？』
「学校の裏にある高台だ」
落下死確定じゃないですか、そんなの嫌だよ？！
秘密道具で助けてドラ○もん…
『カルエゴ先生…』
「なんだ」
『飛行試験…今日じゃないとだめですか…？』
「さっさと位階を決定したいからな。余程の事が無い限り今日行うが」
そうですか、そうですよね。
さて困りましたよ？どうすればいいのだろう…
「何か問題でもあるのか？」
問題ありまくりなんですよ。
羽なんてないし、飛ぶのに使えそうな魔術も知らない。
この状態で飛行試験に挑んだとして、死体をひとつ作るだけだよ。
仕方ない。心苦しいが、何か嘘をついてでも延期して貰おう。
半日でなんとか解決策を見つけ出す…！
『実は、ですね…少し体調が悪くて、朝からめまいがするんです』
自分でも驚く程すらすらと言葉が出て来る。
ごめんなさい、先生…
『この状態で飛ぶのは危ないと思うので、延期して頂けませんか？』
いけるかな…大丈夫かな…怖くて先生の顔が見れない…
暫しの沈黙の後、先生が口を開いた。
「…仕方あるまい。明日までに体調を整えておけよ」
無理にでもやらされるかもしれない、と一応覚悟は決めていたのだが…
先生意外と優しい…！
『本っ当にすみません！ありがとうございます！』
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繰莉 - 私が使っているPSvitaの調子が悪いのか、何故かこの作品だけ更新出来ない状態です。仕方ないのでvitaの調子が戻るまで更新停止です…（・ω・`） (2020年12月2日 21時) (
レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
繰莉 - 嘘つきピエロさん» (＊´∇`)ﾉありがとうございます〜！ 魔入間知ってたんですねぇ。更新頑張りますね！ (2020年11月5日 18時) (レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきピエロ - オペラさん落ち、最高ですねぇ♪僕もオペラさん大好きなので、めっちゃ嬉しいです！更新、無理のない程度に頑張って下さい！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 繰莉さん» 登録ありがとうございます！面白かったです((ﾊｱﾄ (2020年10月17日 15時) (レス) id: 0a870a00f2 (このIDを非表示/違反報告)
繰莉 - もちもちクッションさん» ありがと〜♪ほどほどに頑張るわ（^^＊） (2020年10月4日 0時) (レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：繰莉 | 作成日時：2020年10月2日 23時
