【魔入間】悪魔を召喚してみたら

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案の定その予感は的中して、目の前には元の姿のオペラさんが。

しかも、直前までオペラさん(ネコ姿)を抱いていたため、
真正面から抱き付くような形で ―――

『すっ、すみませんっ！』

慌ててバッと手を離す。
待って待って待って、召喚って時間経過で勝手に解除されるもんなの？！
恥ずかしい、消えたい、先生も居るというのに…

先生がオペラさんを投げたりしなければ…
いや、オペラさんが先生にしつこく絡んだりしなければ…

結局誰が悪いんだ。
両手で顔を覆ってそんな事を考える。

「ちょっ、何をするんですか」

先生の声が聞こえて顔を上げると、
オペラさんが背後から先生に抱き付いているのが目に入った。

…どういう状況ですか？

「離してください…」

わー、先生あからさまに嫌そうな顔してる。
オペラさんはというと、

「後方に思い切り投げ飛ばしても良いですか？」

うん。この十数分でオペラさんはドSだと確信したよ私は。
先生言葉を失っちゃってるじゃないですか。

先生が反応しないので、オペラさんはもう一度問い掛ける。

「…後方に投げ飛ばしても「良い訳ないでしょうｯ！」さっきのお返しです」

「やめてください」

「冗談ですよ」

「あんたのは冗談に聞こえないんだよ！」

仕方ないですね、と手を離すオペラさん。
この隙に逃げればいいのに、溜め息をつきつつもオペラさんの隣に立っている先生。

『っふふ…』

「おい、何を笑っているんだ…」

先生は大分お疲れの様子。声に覇気がないもの。

『いえ、仲良しだなぁと思いまして』

「どこが」

だって、あんなに嫌そうにしてた癖に逃げないじゃないですか。
私には、仲良しに見えますけどね。

『あと、オペラさんは何スマホ構えてるんですか』

「記念撮影です」

『記念撮影？』

カシャリと響くシャッター音。

「初めて笑顔を見せて下さったので。後で理事長と入間様にも見せて差し上げましょう」

初めて？まじですか。

『えっ…と、もしかして、今までずっと無表情だったりしましたか？』

「はい」

今までほとんど使っていなかったせいで表情筋が死んでたのかな…

「笑っていた方が可愛いですよ」

その後に、「無表情でも可愛いですけどね」と付け加える。

『そっ、そうですか…』

緩んだ口元を片手で隠す。
褒められるなんて慣れていないから、嬉しいけどとっても恥ずかしいや。

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