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一度魔術を解き、落ちてきたクッションを受け止める。
これ、シャンデリアに当てないように気を付けなくちゃな。
さっきの勢いで当たったら大惨事になりかねない。
というか、オペラさんにコツを訊いたじゃないか!
イメージするんだ、このクッションが浮かんでいる様子を。
最初みたいに低すぎないように、さっきみたいに軽くしすぎないように。
えーと、高さは床から大体170cm、私の頭を余裕で越える位で…
―― 重量調整 ――
床に置いたクッションに再び魔術を掛ける。
さっきと違いゆっくりと床を離れたクッションは、私の頭上でふわふわと漂っている。
『よしっ…!』
まだまだ不安定ではあるが、思い通りに浮かばせる事ができた。
しばらくはこのクッションを使ってコツを掴もう。
一回成功したからといって調子に乗ってはいけない。
ベッドとか使って失敗したら、どう考えても目も当てられない事になる。
◆◇◆
練習を始めて約3時間。
苦労したものの、クッション・掛け布団・コート掛け・鏡・机…とクリアしていき、
ようやくあの巨大なベッドを危なげなく浮かばせる事ができるようになった。
もう12時を回っているのでとても眠い。
おまけにお腹も空いてきた。
台所を借りて何か夜食でも作……ろうかと思ったけどダメだ。
こっちの食材、調理方法一切知らないじゃん…
仕方ない、水で我慢しよう…
…と、台所へ行きコップにたっぷり2杯分の水を飲んでみたが、
やはり水だけでは物足りない。
『あ〜……お腹空いたな…』
「何かお作り致しましょうか?」
突然背後から声が聞こえ、ビクッと肩が跳ねる。
思わず叫びそうになったが今は真夜中、それはまずい。
咄嗟に両手で口を押さえ、何とか悲鳴を飲み込んだ。
「すみません、驚かせてしまいましたね」
『心臓止まるかと思いました…』
振り向いてみると、やはり猫耳執事のオペラさん。
一切足音がしなかったぞ。
猫耳と尻尾が機嫌がいい時の動きをしているのは、
大方私の反応がお気に召したからだろう。
というか、執事服を着ているけど、ずっと起きてたのかな?
寝間着姿とか見られるかな〜と一瞬期待したんだけどな、
ちょっと残念…
「リクエストはありますか?」
オペラさんは手早く袖を捲って、料理を始める気満々だ。
『いいんですか?じゃあ……ドーナツが食べたいです』
終わり←・
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繰莉 - 私が使っているPSvitaの調子が悪いのか、何故かこの作品だけ更新出来ない状態です。仕方ないのでvitaの調子が戻るまで更新停止です…(・ω・`) (2020年12月2日 21時) (レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
繰莉 - 嘘つきピエロさん» (*´∇`)ノありがとうございます〜! 魔入間知ってたんですねぇ。更新頑張りますね! (2020年11月5日 18時) (レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきピエロ - オペラさん落ち、最高ですねぇ♪僕もオペラさん大好きなので、めっちゃ嬉しいです!更新、無理のない程度に頑張って下さい! (2020年11月3日 22時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 繰莉さん» 登録ありがとうございます!面白かったです((ハアト (2020年10月17日 15時) (レス) id: 0a870a00f2 (このIDを非表示/違反報告)
繰莉 - もちもちクッションさん» ありがと〜♪ほどほどに頑張るわ(^^*) (2020年10月4日 0時) (レス) id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:繰莉 | 作成日時:2020年10月2日 23時