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朝学校に行くとカナが声を掛けて来た。
「おはよう、A。って顔色悪いけど大丈夫?」
『最近ね。寝付けが悪いの。』
「悪い夢を見てるの?」
『どうだろ。』
二人で話しているとリクオが声を掛けて来た。
「おはよう、二人共。」
「おはよう、リクオ君。」
『おはよう、リクオ君。……とリクオ君のお父さん?』
「へっ?」
リクオが振り向くと鯉伴が立って居て驚いていた。
「おはよう、Aちゃん。ちょっと訪ねたい事があって……良いかな?」
『まだ時間に余裕があるので大丈夫です。』
「今話してた夢の事なんだが……少し教えてくれねぇか?」
『はい。良いですよ。場所は昔京と呼ばれてた京都で、私は公家の双子の娘の立場に居て、神通力を持っててそして顔のよく見えない妖だと思うんですけど…その人に……』
Aがそこで黙ってしまった。
「言いにくい事か?」
『あ、いえ。ただ、恥ずかしいなと思いまして。』
「恥ずかしい?」
『その人にワシはお前が欲しいと言われるんです。』
Aが凄く顔を赤くして照れながらそう言った。
「(おふくろ、可愛いわ。親父がああなるの分かる気がする。)」
『その後、名前を言われて……。』
「名前、分かる?」
『最初はノイズで聞き取れなかったんですけど、リクオ君のお祖父さんと話した後からはぬらりひょんって聞こえる様になりました。』
「お祖父ちゃんに会った事があるの!?」
『えっ?うん。よく会うよ。』
リクオの質問にAが答えた。
「そっか。ありがとな。」
鯉伴はAの頭を優しくなでて帰って行った。
時間を見るとまだ余裕があったが少し歩くペースを上げた。
教室に向かう途中で氷麗と倉田と名乗って居た雪女と青田坊が居た。
「リクオ君と知り合いだったのかしら?(リクオ君て結構知らないこと多いなぁ。)」
『話してるから知り合いなのかもね。』
「あの、ごめんなさい。職員室は何処ですか?勝手が分からなくって。」
「あぁ、2階だよ。この棟の。」
「おおきに。」
「方言?」
『京都から来たのかな?』
Aとカナは顔を合わせて教室に向かった。
隣のクラスに転校生が来たと噂が流れた。
リクオとカナが清継に捕まったがAは遠慮した。
その日の夜にリクオから電話があった。
「日曜日、清十字怪奇探偵団は僕の家に集合って。Aちゃんも来れたら来てほしいなって思ってさ。」
『分かった。日曜日にリクオ君の家ね。』
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時