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Aはジャミルに話し掛けた。
『ジャミル先輩はいつもカリム先輩の面倒を見てるんですか？』
「カリムは俺の主人だからな。」
『疲れる事は無いんですか？』
「そんな事を思ってる暇はないさ。」
『そうですか。ユウ達が心配なので私行きますね。』
ジャミルから離れた。
Aはどこにいるかグリム達を探した。
「ほぁ〜この寮、何処見ても金ピカで豪華で…オンボロ寮とは大違いなんだゾ。」
グリムの声が聞こえて来た方にAは向かった。
「そんなに驚くほどか？確かに俺が入学した時、父ちゃんが学園に少し寄付して寮を綺麗に改装させたって言ってたけど……。」
「どんだけ大金持ちなんだゾ！オメ―、もしかして、レオナと同じ王子様か！？」
『此処に居たのね。何の話をしているの？』
「コイツの家が王族なんじゃないかって話なんだゾ。」
「アジーム家は王族じゃないから、俺は王子じゃないぜ。親戚筋には王族も居るけどな。」
「あじーむ？お前の名前って、アルアジームじゃ無かったか？」
「熱砂の国の古い言葉で『アル』は『息子』を意味する。そんで、家を興した先祖の名前を家名にして……以降産まれた男児は全員『その息子』って名乗る事があるんだ。俺の場合、『アジーム』がご先祖の名前で『アル』が息子って意味だから……カリム・アルアジームは『アジームさん家の息子カリム君』って意味になるな。」
「ほへぇ……名前の由来なんて考えた事も無かったんだゾ。」
「馴染みがないからちょっと難しかったか？ま、カリムでいいって！」
「異国情緒溢れた情報ですね……」
『いろいろな国出身の生徒が居るのね。』
「何時か熱砂の国の俺んちにも遊びに来いよ！めいっぱいもてなすぜ。」
「お城みたいな大豪邸に住んでそうなんだゾ。」
「そうでもないぜ。召使も100人くらいしか居ないし。」
「100人いれば十分すぎるんだゾ！？俺様だって子分は2人しか居ねぇのに。」
『私はグリムの子分じゃ無いんだけどって何度も言ってるよね。』
Aは少し冷たい目でグリムを見た。
「俺んち、俺の下に兄弟が30人以上いる大家族だからさ。それくらい召使が居てくれねぇと面倒見切れねぇんだよ」
「さ、30人！？」
「うーん、40人だったかな。30人超えたくらいから数えるの辞めちまった！顔と名前は皆覚えてるんだけど。あっはっは！」
「スケールが何もかも庶民と違い過ぎるんだゾ……。」
『確かにね。私達には想像できないわね。』
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年3月29日 22時
